福袋といえば、新春大売り出しの時のものとばかり思っていたのだが、今年はそういう常識が通用しなくなっているようだ。年も変わっていないのに、もう福袋が売り出されていることを、夕方のニュースが伝えていた。
実は今日、近くのスーパーに買い物に行った時、たまたまパン屋さんの店頭で福袋が目について、年末に売り出すのは珍しいことだと思い、ついフラフラと買い求めてしまったのだった。ところがニュースによれば、不景気な世の中ゆえ、他の店に一歩先んじようと案外多くの店で福袋を売り出したようだった。珍しいと思って心が動いたのだが、そうでもないようで肩すかしを食らったような感じになった。
買い求めた福袋は1000円だった。パン屋さんの福袋だから、当然中身はパンが中心で、他には菓子袋や手提げ袋などが入っていた。手提げ袋にフクロウの絵でも描かれていれば福が来た気分を味わえたのだろうが、残念ながらそういうことはなかった。
これを書いている時、日付が変わって2009年に入った。「新年あけましておめでとうございます」となったわけだから、大急ぎで「里ふくろうコム」のトップの画像を、子年用から丑年用に変更した。
画像の下の日付も、自動的に「2009年01月01日」に変わった。昨日の昼間、javascriptを使って日付が自動的に更新されるように、簡単な細工をTOPページに施しておいたのだ。ほんとうは旧暦も表示したいところなのだ。そのためのjavascriptのプログラムは手に入ったのだが、そのままでは使えないことが分かった。ところが手直しが上手くいかず、お手上げとなってしまった。完成まで少し時間が掛かりそうだ。
退職の約1年前から書き始めたこのブログも、あと2ヵ月ほどで丸3年になる。せっかく書きためたものだから、去年(2008年)の6月ぐらいから、最初のほぼ一年間分をまとめ直していた。三分の一ほどに縮め、さらに足りない内容を書き加えていたら、半年もかかってしまった。12月の初め頃にやっと形を整えることができて、やれやれと一安心したのだった。
夫人が校正しようかと言ってくれたのだが、繰り返し読んでチェックしたのだから、誤字・脱字などあるはずはないという自信があった。せっかくの申し出ではあるが、その必要はないことを誇らかに伝えたのだった。
その後印刷して、冊子の形に綴じたものを夫人に見せたところ、パラパラとめくるやいなや、本来は『K夫人』とすべきところを、どういうわけか所々『S夫人』と書き誤っていることを見つけられてしまったのだ。
完璧を期したはずだったのに、こう簡単に誤りを見つけられてしまったのでは、バグ(虫)がいたるところに潜んでいるかもしれない。冊子は夫人の手に委ねられることになった。
夫人は居間のソファ座って冊子に目を通し、誤りのあったページには、ピンクの付箋をつけておいてくれた。貼り付けられたピンクの付箋は、数日間でかなりの数にのぼった。居間を通り抜ける際、夫人が手にしている冊子をチラチラッと見ると、そのたびにピンクの数が増えていた。
昨日すべてのチェックが終わり、冊子が私のもとに返ってきた。そこにはビッシリとピンクの付箋が貼り付けられていた。数えてみたところ、全部で32本あった。
2008年12月30日
年の瀬は洗車場も大忙し
いつの間にか、もう29日になってしまった。六本木ヒルズに行って来たのは、まだ12月の中旬頃だったのに、それからの時間の流れ方は尋常なものではなかった。12月に忙しそうに走り回るのは師だけではなく、時間までもいつもの倍以上の速さで駆け抜けていくものと思われる。
ガソリンが高騰した時期があってからというもの、近場への外出の際は、できるだけ車を使わないようにしていた。ただ荷物が多くなりそうな時は、郊外に住んでいるとどうしても車に頼らざるを得ない。そういうわけで、新春を迎えるに当たって、今年一年お世話になった車を奇麗にしてあげようと思い、いつも利用するセルフのガソリンスタンドに行ったのだった。
去年までは午後になってから、のんびり出かけていたのだが、洗車場はいつもとても混雑していた。年末だから仕方がないとは思うが、午前中なら少しはすいているだろうと思い、10頃に家を出た。私としては精いっぱい早く出たつもりだったが、洗車場に着いた時には、すでに5・6台の車の列ができていた。
洗車後、拭き取りタオルを事務室に借りに行った時に渡されたパンフレットによると、『年末(27日〜)は、洗車が大変混雑します。特に、午前中は洗車のピークになります…』となっていた。午後よりも午前中の方が混んでいるということなのだ。世間の人も皆、午前中の方がすいているだろうと予想して、どっと押しかけるようだ。
パンフレットによると、『夕方からの洗車がおすすめです』となっていたが、夕方になれば暗くなり、寒くなる。洗車は、車の中に座っていれば、機械が自動的やってくれる。しかしそのあと、拭き取り作業がある。やはり日のあるうちに終わらせたいというものだ。
さらに目を通していくと、最近利用者同士のトラブルが多発しているということだ。どのようなトラブルが洗車場で発生しているかというと、次のような注意書きから想像はできる。
・予備洗いはなるべくお早めに!
・手掛けWAX等はご遠慮ください!
・カーステレオの音量は小さめに!
・全面禁煙でお願いいたします!
これを見ると、主として自分の家だと思って洗車に勤しむことが原因となっているようですな。
予備洗いとは、機械洗車では手の届かないタイヤ周りを、前もってブラシで手洗いすることを指すのだろう。皆さん待ち時間を利用して、車から降りて、アルミホイールの汚れを一生懸命ゴシゴシと洗っている。それに熱中するあまり、自分の順番が来たことに気づかない人も出てくるにちがいない。そういう時に、
「いつまで洗っているんだよ!前の車はとっくに終わっているぞ。早く進んでくれよ!」
と怒鳴る人がいるのだろう。だいたいトラブルなんてものは、そういう些細なことから始まって、大きな騒動になってしまうものなのだ。
初めて自分でタイヤの空気圧をチェックした。慣れてしまえば、自転車の空気入れより力もいらず、簡単にできることが分かった。
ガソリンが高騰した時期があってからというもの、近場への外出の際は、できるだけ車を使わないようにしていた。ただ荷物が多くなりそうな時は、郊外に住んでいるとどうしても車に頼らざるを得ない。そういうわけで、新春を迎えるに当たって、今年一年お世話になった車を奇麗にしてあげようと思い、いつも利用するセルフのガソリンスタンドに行ったのだった。
去年までは午後になってから、のんびり出かけていたのだが、洗車場はいつもとても混雑していた。年末だから仕方がないとは思うが、午前中なら少しはすいているだろうと思い、10頃に家を出た。私としては精いっぱい早く出たつもりだったが、洗車場に着いた時には、すでに5・6台の車の列ができていた。
洗車後、拭き取りタオルを事務室に借りに行った時に渡されたパンフレットによると、『年末(27日〜)は、洗車が大変混雑します。特に、午前中は洗車のピークになります…』となっていた。午後よりも午前中の方が混んでいるということなのだ。世間の人も皆、午前中の方がすいているだろうと予想して、どっと押しかけるようだ。
パンフレットによると、『夕方からの洗車がおすすめです』となっていたが、夕方になれば暗くなり、寒くなる。洗車は、車の中に座っていれば、機械が自動的やってくれる。しかしそのあと、拭き取り作業がある。やはり日のあるうちに終わらせたいというものだ。
さらに目を通していくと、最近利用者同士のトラブルが多発しているということだ。どのようなトラブルが洗車場で発生しているかというと、次のような注意書きから想像はできる。
・予備洗いはなるべくお早めに!
・手掛けWAX等はご遠慮ください!
・カーステレオの音量は小さめに!
・全面禁煙でお願いいたします!
これを見ると、主として自分の家だと思って洗車に勤しむことが原因となっているようですな。
予備洗いとは、機械洗車では手の届かないタイヤ周りを、前もってブラシで手洗いすることを指すのだろう。皆さん待ち時間を利用して、車から降りて、アルミホイールの汚れを一生懸命ゴシゴシと洗っている。それに熱中するあまり、自分の順番が来たことに気づかない人も出てくるにちがいない。そういう時に、
「いつまで洗っているんだよ!前の車はとっくに終わっているぞ。早く進んでくれよ!」
と怒鳴る人がいるのだろう。だいたいトラブルなんてものは、そういう些細なことから始まって、大きな騒動になってしまうものなのだ。
初めて自分でタイヤの空気圧をチェックした。慣れてしまえば、自転車の空気入れより力もいらず、簡単にできることが分かった。
posted by 里実福太朗 at 00:52| 里ふくろうの日乗
2008年12月27日
盗用問題に東京地裁の判断くだる
シンガーソングライターの槇原敬之氏が、漫画家の松本零士氏を相手取り名誉毀損で訴えていた裁判で、東京地裁が松本氏に220万円の賠償を命じる判断を下した。まだ地裁の段階ではあるが、ひとまず一つの司法の判断が下されたということになる。
この件については、以前このブログで書いたことがあった。7月11日から始まって、断続的に4回にわたって書いている。よく根気が続いたものだ、と今は思う。
7月11日 http://fukulog.sato296.com/article/16856662.html
14日 http://fukulog.sato296.com/article/16989958.html
16日 http://fukulog.sato296.com/article/17055399.html
21日 http://fukulog.sato296.com/article/17210825.html
その時の結論は、槇原氏が作詞した「約束の場所」の一節『夢は時間を裏切らない/時間も夢を決して裏切らない』が、「銀河鉄道999」のセリフ『時間は夢を裏切らない。時間も夢を決して裏切ってはならない』の盗作であると言い切ることはできないというものだった。
司法の場では、著作権侵害の有無の判断は明確には示さなかった。しかし松本氏が、槇原氏の歌詞を盗作だと決めつけたことに対して、名誉毀損と認定したということは、事実上著作権侵害と断定することはできないという判断を下したと考えて良いのだろう。
著作権は、作者の著作物を守る大切な法律であることは論を待たない。しかし感情に突き動かされ、思い込みによって相手を非難するだけでは、言いがかりをつけていると言われても仕方がないだろう。
この件については、以前このブログで書いたことがあった。7月11日から始まって、断続的に4回にわたって書いている。よく根気が続いたものだ、と今は思う。
7月11日 http://fukulog.sato296.com/article/16856662.html
14日 http://fukulog.sato296.com/article/16989958.html
16日 http://fukulog.sato296.com/article/17055399.html
21日 http://fukulog.sato296.com/article/17210825.html
その時の結論は、槇原氏が作詞した「約束の場所」の一節『夢は時間を裏切らない/時間も夢を決して裏切らない』が、「銀河鉄道999」のセリフ『時間は夢を裏切らない。時間も夢を決して裏切ってはならない』の盗作であると言い切ることはできないというものだった。
司法の場では、著作権侵害の有無の判断は明確には示さなかった。しかし松本氏が、槇原氏の歌詞を盗作だと決めつけたことに対して、名誉毀損と認定したということは、事実上著作権侵害と断定することはできないという判断を下したと考えて良いのだろう。
著作権は、作者の著作物を守る大切な法律であることは論を待たない。しかし感情に突き動かされ、思い込みによって相手を非難するだけでは、言いがかりをつけていると言われても仕方がないだろう。
posted by 里実福太朗 at 23:51| 里ふくろうの日乗
2008年12月26日
仕事納め
ガソリン価格:97円(会員価格)
いよいよ90円台に突入した。
ちょっとした用事があって、電車に乗って外出することがあった。以下は車内で聞いた会話、年配の二人の男が、あたりはばからず大きな声で話しているものだから、聞きたくなくても耳に入ってきた。
「新聞社で一番まともなのは、東京新聞だな」
「ほう、そうかね」
「東京新聞が真ん中で、左側には毎日新聞。右側には読売新聞、さらに右には産経新聞」
「なるほどね、あと一つは? 大新聞が残っているじゃないか」
「ありゃー、いいかげんだな。戦争中のことを思ってみろよ」
「まあな、だけど他のだって似たり寄ったりじゃなかったか」
「そりゃそうだ、敗色濃厚なのに、勝った勝っただったもんな」
こんなふうに、ひとしきり戦時中のメディア批判をしていた。天使が通る時間が少し過ぎて、こんどは現今のことに話題は移った。
「トヨタって、埋蔵金って言うのかな、ともかく蓄えがウン兆円もあるらしいな」
「そんな話もあるようだね」
「メディアも、そういうことを追求しなけりゃダメなんだよ」
「なぜしないんだ?」
「トヨタが怖いんだよ。批判すれば広告載せてくれないもんな、それを怖れているんだよ」
「なるほどねー」
京成津田沼駅で二人は降りた。二人とも真っ赤な顔をしていた。お酒が入って、気持ちが大きくなっていたらしい。今日は26日で、例年なら仕事納めにはまだ早いが、金曜日ということなので、仕事納めのところも多かったのかもしれない。そこでそのお二人さんは、仕事帰りに一杯やってきたのかもしれなかった。
いよいよ90円台に突入した。
ちょっとした用事があって、電車に乗って外出することがあった。以下は車内で聞いた会話、年配の二人の男が、あたりはばからず大きな声で話しているものだから、聞きたくなくても耳に入ってきた。
「新聞社で一番まともなのは、東京新聞だな」
「ほう、そうかね」
「東京新聞が真ん中で、左側には毎日新聞。右側には読売新聞、さらに右には産経新聞」
「なるほどね、あと一つは? 大新聞が残っているじゃないか」
「ありゃー、いいかげんだな。戦争中のことを思ってみろよ」
「まあな、だけど他のだって似たり寄ったりじゃなかったか」
「そりゃそうだ、敗色濃厚なのに、勝った勝っただったもんな」
こんなふうに、ひとしきり戦時中のメディア批判をしていた。天使が通る時間が少し過ぎて、こんどは現今のことに話題は移った。
「トヨタって、埋蔵金って言うのかな、ともかく蓄えがウン兆円もあるらしいな」
「そんな話もあるようだね」
「メディアも、そういうことを追求しなけりゃダメなんだよ」
「なぜしないんだ?」
「トヨタが怖いんだよ。批判すれば広告載せてくれないもんな、それを怖れているんだよ」
「なるほどねー」
京成津田沼駅で二人は降りた。二人とも真っ赤な顔をしていた。お酒が入って、気持ちが大きくなっていたらしい。今日は26日で、例年なら仕事納めにはまだ早いが、金曜日ということなので、仕事納めのところも多かったのかもしれない。そこでそのお二人さんは、仕事帰りに一杯やってきたのかもしれなかった。
posted by 里実福太朗 at 23:48| 里ふくろうの日乗
2008年12月24日
粗大ゴミ
粗大ゴミを処分するために、酒々井町リサイクル文化センターに行ってきた。ここは、酒々井町だけでなく佐倉市の住民が利用できる。粗大ゴミは決まった曜日に、市の指定業者が回収に来てくれるが、ある程度まとめておいてリサイクル文化センターに持っていくほうが安上がりとなる。
粗大ゴミを乗せたまま、車ごと地面に設置された重量計の上に乗り計量する。そのあと分別処理する場所に行き、粗大ゴミをおろす。それから再び計量場所に戻り、粗大ゴミを捨てた後の重量を量る。二度の計量で得られた値の差が、粗大ゴミの重量となる。
我が家のステップワゴンは、粗大ゴミをのせた状態の重量は1750sだった。粗大ゴミを捨てた後の重量は1700sで、ちょうど50キログラムが粗大ゴミの正味重量だった。
大物は電子レンジ・ビデオデッキそのほかこまごましたものを合わせて、一般廃棄物処理手数料は、1750円だった。
粗大ゴミを乗せたまま、車ごと地面に設置された重量計の上に乗り計量する。そのあと分別処理する場所に行き、粗大ゴミをおろす。それから再び計量場所に戻り、粗大ゴミを捨てた後の重量を量る。二度の計量で得られた値の差が、粗大ゴミの重量となる。
我が家のステップワゴンは、粗大ゴミをのせた状態の重量は1750sだった。粗大ゴミを捨てた後の重量は1700sで、ちょうど50キログラムが粗大ゴミの正味重量だった。
大物は電子レンジ・ビデオデッキそのほかこまごましたものを合わせて、一般廃棄物処理手数料は、1750円だった。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2008年12月22日
スカイ・イルミネーション(3)
今日は冬至。夕食にはカボチャを食べ、柚子湯にはいる。
千葉では、日の出が6時44分、日没は16時30分。
月の出は0時53分、月没は12時07分。
六本木ヒルズにのぼった18日(木)は、東京地方の日の出が6時45分、日没は16時30分。月没は10時48分、月の出が22時51分だった。(海抜0m)
森タワースカイデッキ(屋上)がある海抜270mからだと、日没は16時33分となるらしい。
(以上のデータは、「こよみのページ」http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/kyuureki.htmより)
日没まではもう少し時間のある薄暮のころ、眼下をヘリコプターが飛んで行く。遊覧飛行なのだろうか。

夕陽が遠くの山の端にかかり始めると、稜線が次第に浮かび上がってくる。日没は4時33分ということだが、山の陰に隠れて見えなくなってしまうのはもう少し早かった。

夕陽が沈みきると、ネオンの瞬きが少しずつ増えてきて、地上は光の海となっていく。右手奥に、新宿の高層ビル群が見える。

目を夕陽が沈んだ方角に転ずると、いつの間にか富士山がシルエットとなって浮かび上がっていた。

屋上のイルミネーションが灯るのは、5時になってからだった。写真中央に見えるのは東京タワーの先端、屋上の人の多くは、ライトアップされた光の塔に見入っているのだった。

眩いばかりのネオンの洪水を見下ろせば、光の海に浮かぶ光の塔は、ガラスのおもちゃのようなもろさで瞬いていた。夜景の美しさを言葉で言い表そうとすると、どうしてもこんな陳腐な表現になってしまう。遙か遠くに目を移せば、右の方にはレインボウブリッジが小さく見える。

姿を消した夕陽にかわって、東京タワーの上に月が昇ってくれば、それこそ何一つ欠けたもののない夜景となることだろう。さらにどこからともなく、小林桂が歌う「Fly Me To The Moon」(作詞:Bart Howard)でも流れてくれば、恋人たちは、これ以上望むべくもない雰囲気に身も心も浸すことになるだろう。
『Fly me to the moon and let me play among the stars』
お月さままで飛んでいきたいの
そしてお星さまたちと遊びたいの
こんなふうにささやかれた彼は、あまりの美しさに心を奪われた彼女が、幼児がえりしてしまったのかもしれないと心配する。しかし本当はこういうことだったのだ。
『In other words, hold my hand』
夫人と肩を並べて夜景に見とれながら、こんな妄想に浸っていると、隣から恋人同士と思われるアベックの会話が聞こえてきて、現実に引き戻されたのだった。
「あたし、自動車よりちっちゃいでしょ」
「うん」
(あたりまえだ)
「でも、下に見える自動車、あたしよりちっちゃいの」
「ほんとだね」
(いやはや……)
歌とは違って現実の世界は、あまりロマンチックではないのでした。
月の出は11時頃、そろそろ空腹を感じ始めていて、それまで待つことはできそうにもない。すべてが満たされてしまうと、碌なことはないに違いない。たとえ月は出ていなくても、十分に満足して下りのエレベーターに乗ったのだった。
千葉では、日の出が6時44分、日没は16時30分。
月の出は0時53分、月没は12時07分。
六本木ヒルズにのぼった18日(木)は、東京地方の日の出が6時45分、日没は16時30分。月没は10時48分、月の出が22時51分だった。(海抜0m)
森タワースカイデッキ(屋上)がある海抜270mからだと、日没は16時33分となるらしい。
(以上のデータは、「こよみのページ」http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/kyuureki.htmより)
日没まではもう少し時間のある薄暮のころ、眼下をヘリコプターが飛んで行く。遊覧飛行なのだろうか。

夕陽が遠くの山の端にかかり始めると、稜線が次第に浮かび上がってくる。日没は4時33分ということだが、山の陰に隠れて見えなくなってしまうのはもう少し早かった。

夕陽が沈みきると、ネオンの瞬きが少しずつ増えてきて、地上は光の海となっていく。右手奥に、新宿の高層ビル群が見える。

目を夕陽が沈んだ方角に転ずると、いつの間にか富士山がシルエットとなって浮かび上がっていた。

屋上のイルミネーションが灯るのは、5時になってからだった。写真中央に見えるのは東京タワーの先端、屋上の人の多くは、ライトアップされた光の塔に見入っているのだった。

眩いばかりのネオンの洪水を見下ろせば、光の海に浮かぶ光の塔は、ガラスのおもちゃのようなもろさで瞬いていた。夜景の美しさを言葉で言い表そうとすると、どうしてもこんな陳腐な表現になってしまう。遙か遠くに目を移せば、右の方にはレインボウブリッジが小さく見える。

姿を消した夕陽にかわって、東京タワーの上に月が昇ってくれば、それこそ何一つ欠けたもののない夜景となることだろう。さらにどこからともなく、小林桂が歌う「Fly Me To The Moon」(作詞:Bart Howard)でも流れてくれば、恋人たちは、これ以上望むべくもない雰囲気に身も心も浸すことになるだろう。
『Fly me to the moon and let me play among the stars』
お月さままで飛んでいきたいの
そしてお星さまたちと遊びたいの
こんなふうにささやかれた彼は、あまりの美しさに心を奪われた彼女が、幼児がえりしてしまったのかもしれないと心配する。しかし本当はこういうことだったのだ。
『In other words, hold my hand』
夫人と肩を並べて夜景に見とれながら、こんな妄想に浸っていると、隣から恋人同士と思われるアベックの会話が聞こえてきて、現実に引き戻されたのだった。
「あたし、自動車よりちっちゃいでしょ」
「うん」
(あたりまえだ)
「でも、下に見える自動車、あたしよりちっちゃいの」
「ほんとだね」
(いやはや……)
歌とは違って現実の世界は、あまりロマンチックではないのでした。
月の出は11時頃、そろそろ空腹を感じ始めていて、それまで待つことはできそうにもない。すべてが満たされてしまうと、碌なことはないに違いない。たとえ月は出ていなくても、十分に満足して下りのエレベーターに乗ったのだった。
posted by 里実福太朗 at 01:25| 里ふくろうの日乗
2008年12月20日
スカイ・イルミネーション(2)
日本の超高層ビルの筆頭は、横浜ランドマークタワーの296メートルということだ。東京に限ってみれば、トップファイブは以下の通りになる。
1.東京ミッドタウン ミッドタウン・タワー…248m、54F
2.東京都第一本庁舎…243m、48F
3.サンシャイン60…240m、60F
3.NTTドコモ代々木ビル…240m、27F
5.六本木ヒルズ森タワー…238m、54F
建物の高さではこのような順序となるが、展望室・展望台の高さとなると違ってくる。なお1位の東京ミッドタウンには展望台がないので、以下の順位からは除外される。
1.六本木ヒルズ森タワースカイデッキ(屋上)…238m
2.サンシャイン60スカイデッキ(屋上)…232m
3.サンシャイン60展望台(室内)…226m
4.六本木ヒルズ森タワー東京シティービュー(室内)…218m
5.東京都庁展望室(室内)…202m
*.東京タワー特別展望台(室内)…250m
以上の高さは、いずれも地上高である。海抜の場合は、以下のようになる。
1.六本木ヒルズ森タワースカイデッキ(屋上)…海抜270m
2.サンシャイン60スカイデッキ(屋上)…海抜256m
3.サンシャイン60展望台(室内)…海抜251m
4.六本木ヒルズ森タワー東京シティービュー(室内)…海抜250m
5.東京都庁展望室(室内)…237m
*.東京タワー特別展望台(室内)…海抜268m
(参照:ウィキペディア、六本木ヒルズ展望台東京シティビューのパンフレットなど)
結局何が分かったかというと、ビルの展望台としては、地上高・海抜共に、六本木ヒルズ森タワースカイデッキ(屋上)が一番高い所にあるということなんです。その展望台にのぼってきたということを、高い所を苦手とする人間が、鼻を高くして言いたかったということです。
六本木ヒルズの森タワーにのぼる前に、施設の概要を確認しておく。
52F…展望台東京シティービュー
53F…森美術館
屋上……スカイデッキ
1500円の入場チケットで、以上の三箇所に入場できる。
超高速エレベータで52階までいっきにのぼる。のぼっていく途中で、耳がツーンとなった。52階でエレベータを乗り換える。その待ち時間を利用して、入場する際の注意事項の説明がある。
○許可される持ち物は、カメラと携帯電話だけ。他のものはすべてロッカーに入れる。
○帽子もダメ、カメラはケースから出しておく。チケット・パンフレットもロッカーに入れておく。
それを聞いて、どうしてこんなに厳しいのだろうと思ったが、スカイデッキが吹きさらしの屋上であることが分かり、強風に煽られて物が飛ぶおそれがある故のことだと納得がいった。最初にその点についての説明があればよかった。
二つめのエレベータを下りてから、細い階段をのぼる。

行き着いた屋上には、空調設備があり、アンテナがあり、そしてヘリポートがある。もともとは展望施設として設けられた場所ではないことが一目で分かる。パンフレットには、2008年4月にオープンしたと記載されていた。竣工が2003年4月だから、スカイデッキはそれから5年後に設けられたことになる。

時刻は4時過ぎ、夕焼けショウが始まっていた。日没前にのぼると、夕焼けそして夕陽が沈む光景を、都会のど真ん中の高所から堪能することができる。


1.東京ミッドタウン ミッドタウン・タワー…248m、54F
2.東京都第一本庁舎…243m、48F
3.サンシャイン60…240m、60F
3.NTTドコモ代々木ビル…240m、27F
5.六本木ヒルズ森タワー…238m、54F
建物の高さではこのような順序となるが、展望室・展望台の高さとなると違ってくる。なお1位の東京ミッドタウンには展望台がないので、以下の順位からは除外される。
1.六本木ヒルズ森タワースカイデッキ(屋上)…238m
2.サンシャイン60スカイデッキ(屋上)…232m
3.サンシャイン60展望台(室内)…226m
4.六本木ヒルズ森タワー東京シティービュー(室内)…218m
5.東京都庁展望室(室内)…202m
*.東京タワー特別展望台(室内)…250m
以上の高さは、いずれも地上高である。海抜の場合は、以下のようになる。
1.六本木ヒルズ森タワースカイデッキ(屋上)…海抜270m
2.サンシャイン60スカイデッキ(屋上)…海抜256m
3.サンシャイン60展望台(室内)…海抜251m
4.六本木ヒルズ森タワー東京シティービュー(室内)…海抜250m
5.東京都庁展望室(室内)…237m
*.東京タワー特別展望台(室内)…海抜268m
(参照:ウィキペディア、六本木ヒルズ展望台東京シティビューのパンフレットなど)
結局何が分かったかというと、ビルの展望台としては、地上高・海抜共に、六本木ヒルズ森タワースカイデッキ(屋上)が一番高い所にあるということなんです。その展望台にのぼってきたということを、高い所を苦手とする人間が、鼻を高くして言いたかったということです。
六本木ヒルズの森タワーにのぼる前に、施設の概要を確認しておく。
52F…展望台東京シティービュー
53F…森美術館
屋上……スカイデッキ
1500円の入場チケットで、以上の三箇所に入場できる。
超高速エレベータで52階までいっきにのぼる。のぼっていく途中で、耳がツーンとなった。52階でエレベータを乗り換える。その待ち時間を利用して、入場する際の注意事項の説明がある。
○許可される持ち物は、カメラと携帯電話だけ。他のものはすべてロッカーに入れる。
○帽子もダメ、カメラはケースから出しておく。チケット・パンフレットもロッカーに入れておく。
それを聞いて、どうしてこんなに厳しいのだろうと思ったが、スカイデッキが吹きさらしの屋上であることが分かり、強風に煽られて物が飛ぶおそれがある故のことだと納得がいった。最初にその点についての説明があればよかった。
二つめのエレベータを下りてから、細い階段をのぼる。

行き着いた屋上には、空調設備があり、アンテナがあり、そしてヘリポートがある。もともとは展望施設として設けられた場所ではないことが一目で分かる。パンフレットには、2008年4月にオープンしたと記載されていた。竣工が2003年4月だから、スカイデッキはそれから5年後に設けられたことになる。

時刻は4時過ぎ、夕焼けショウが始まっていた。日没前にのぼると、夕焼けそして夕陽が沈む光景を、都会のど真ん中の高所から堪能することができる。


posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2008年12月19日
スカイ・イルミネーション
あの六本木ヒルズ展望台から見る東京の夜景は、高い所が苦手な人間にも、海抜270メートルの高所にいることを忘れさせてくれた。
六本木ヒルズでは、現在「天空のクリスマス スカイ★イルミネーション2008」が行われている。それを見るために、初めて六本木ヒルズに行ってきたのだ。ここしばらく寒い日が続いていたが、昨日は好天に恵まれて、比較的暖かく風もなく、絶好の夜景鑑賞日和だった。ふだんの行いが良いと、天まで味方してくれるというものだ。
千葉方面から六本木ヒルズに行くには、いくつかのアクセス・ルートがある。
A.地下鉄日比谷線で六本木駅下車
B.JR新橋駅から都バスで六本木6丁目下車
C.JR田町駅から港区コミュニティバスで六本木ヒルズ下車
家を出る時は、Cルートで行こうと思っていたが、電車に乗っている間に気が変わり、地下鉄浅草線人形町駅で日比谷線に乗り換え、結局Aルートで六本木に行ったのだった。
改札口を出て地下道を歩いて行けば、「東京シティビュー」のある六本木ヒルズモリタワーに行き着く。途中、ブラザートムとすれちがった。かなり大柄で、背の高さは私以上のように感じられた。ネットで調べたら、188センチとなっていた。
ビルの下で、まず記念写真。



六本木ヒルズでは、現在「天空のクリスマス スカイ★イルミネーション2008」が行われている。それを見るために、初めて六本木ヒルズに行ってきたのだ。ここしばらく寒い日が続いていたが、昨日は好天に恵まれて、比較的暖かく風もなく、絶好の夜景鑑賞日和だった。ふだんの行いが良いと、天まで味方してくれるというものだ。
千葉方面から六本木ヒルズに行くには、いくつかのアクセス・ルートがある。
A.地下鉄日比谷線で六本木駅下車
B.JR新橋駅から都バスで六本木6丁目下車
C.JR田町駅から港区コミュニティバスで六本木ヒルズ下車
家を出る時は、Cルートで行こうと思っていたが、電車に乗っている間に気が変わり、地下鉄浅草線人形町駅で日比谷線に乗り換え、結局Aルートで六本木に行ったのだった。
改札口を出て地下道を歩いて行けば、「東京シティビュー」のある六本木ヒルズモリタワーに行き着く。途中、ブラザートムとすれちがった。かなり大柄で、背の高さは私以上のように感じられた。ネットで調べたら、188センチとなっていた。
ビルの下で、まず記念写真。



posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2008年12月16日
太郎ちゃんまんじゅう
太郎ちゃんまんじゅうの売れ行きが好調で、新製品が出たらしい。支持率は低調を極めているというのに、まんじゅうの方は人気があるとは、いったいどういうことなのだろうか。なんとも不思議な現象である。
かく言う私も、東京タワーに行った際、東京土産としてうっかり購入してしまったのだった。買い求めた時のことを思い出してみると、まあ話のタネにでもということがあったと思う。購入した人の多くも、そういうことだったのかもしれない。中には、支持率が下がっても、いつまでも居座っている姿を見るにつけ、せめてその名を冠したまんじゅうを、一口でパクリと食べてしまおう、というということで買い求めた人もいたかもしれない。
先日、ブリジストン美術館からの帰途、東京駅からJRを利用したことがあった。駅構内の中央通路の変貌ぶりは、デパ地下を思わせるものだった。いくつかの店の前には、行列さえもできていた。ただ行列を見ること、そしてその先に何があるのだろうかということには興味を抱くが、行列に並ぶなんてことは真っ平ご免なのだから、そんなところに並ぶことはしない。行列の脇を通りすぎて、東京土産を扱う専門店を覗いてみた。店頭には、太郎ちゃんまんじゅうが山積みとなっていた。
世論調査によれば、多くの人が一国を代表する人物にはふさわしくないと思っているのだが、首相の座を潔く明け渡して政界とは縁を切り、別の世界に転身すれば、太郎ちゃんまんじゅうのようになれるかもしれない。
かく言う私も、東京タワーに行った際、東京土産としてうっかり購入してしまったのだった。買い求めた時のことを思い出してみると、まあ話のタネにでもということがあったと思う。購入した人の多くも、そういうことだったのかもしれない。中には、支持率が下がっても、いつまでも居座っている姿を見るにつけ、せめてその名を冠したまんじゅうを、一口でパクリと食べてしまおう、というということで買い求めた人もいたかもしれない。
先日、ブリジストン美術館からの帰途、東京駅からJRを利用したことがあった。駅構内の中央通路の変貌ぶりは、デパ地下を思わせるものだった。いくつかの店の前には、行列さえもできていた。ただ行列を見ること、そしてその先に何があるのだろうかということには興味を抱くが、行列に並ぶなんてことは真っ平ご免なのだから、そんなところに並ぶことはしない。行列の脇を通りすぎて、東京土産を扱う専門店を覗いてみた。店頭には、太郎ちゃんまんじゅうが山積みとなっていた。
世論調査によれば、多くの人が一国を代表する人物にはふさわしくないと思っているのだが、首相の座を潔く明け渡して政界とは縁を切り、別の世界に転身すれば、太郎ちゃんまんじゅうのようになれるかもしれない。
posted by 里実福太朗 at 23:06| 里ふくろうの日乗
2008年12月13日
リレー講座最終回
リレー講座は、今回が最終回となった。全7回行われた講座のすべてに参加した。今回も顔を見せた市長さんは、司会者によると2回欠席したそうで、5/7の出席率だったそうだ。
講師:嶋田順好
青山学院大学宗教部長・国際政治経済学部教授
演題:もう一つの近代化をめざした津田仙
場所:中央公民館
時間:午後1時30分〜 (約2時間)
内容
1.始めにー津田仙との出会い、佐倉との出会いー
2.津田仙の略歴
3.驚くべき行動力・影響力
4.津田仙・新島襄・植村正久・内村鑑三
5.黒船来航
6.津田仙のキリスト教受容のプロセス
7.農業による近代化
8.津田仙の徳育論
9.津田仙の女子教育論
10.津田仙が問いかける近代化の課題
津田仙は、津田塾大学を設立した津田梅子の父親として紹介されることが多い。しかし明治期の教育・農業・宗教の分野で大きな足跡を残した人物ということで、津田梅子の父親という位置づけを改める必要がありそうだと思われた。
講師:嶋田順好
青山学院大学宗教部長・国際政治経済学部教授
演題:もう一つの近代化をめざした津田仙
場所:中央公民館
時間:午後1時30分〜 (約2時間)
内容
1.始めにー津田仙との出会い、佐倉との出会いー
2.津田仙の略歴
3.驚くべき行動力・影響力
4.津田仙・新島襄・植村正久・内村鑑三
5.黒船来航
6.津田仙のキリスト教受容のプロセス
7.農業による近代化
8.津田仙の徳育論
9.津田仙の女子教育論
10.津田仙が問いかける近代化の課題
津田仙は、津田塾大学を設立した津田梅子の父親として紹介されることが多い。しかし明治期の教育・農業・宗教の分野で大きな足跡を残した人物ということで、津田梅子の父親という位置づけを改める必要がありそうだと思われた。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2008年12月12日
カレーうどん
必要なものがあって、銀座ITO-YAに行ってきた。地下鉄東銀座駅から歩いていくことが多いのだが、今回は新橋まで行き、八丁目から歩いた。
すでに1時を過ぎていた。12時から1時の間は、昼休みのサラリーマン諸氏で混むので、昼食を摂るのは空腹を我慢してでも、1時を過ぎてからの方がよい。ただ、ランチタイムの恩恵を受けられないことにもなる。銀座でもランチタイムには、ワンコイン(500円)でおいしい昼食を食せる店があるそうだが、限定何食という場合が多いということだから、1時過ぎではありつけることは望むべくもない。
ブラブラと歩いていくと、とある街角に「木屋」といううどん屋さんがあった。店頭のディスプレイを覗くと、カレーうどんが目に入った。それを見ただけで無性にカレーうどんを食べたくなった。
店内は数名の先客がいるだけで、すぐに空いた席に案内された。メーニューを持ってきてくれたが、それには目を通さず、すぐに注文の品を告げた。するとこんなことを尋ねられた。
「ゆで上がるのに、細めんは6分、太めんは12分かかりますが、どちらがよろしいでしょうか」
細めんにも心が動いたが、カレーうどんの麺は、太くなくてはいけないという声がどこかともなく聞こえた。太めんは倍の時間がかかるが、急いで食べなければならないということはない。
「太めんでおねがいします」
一人二人と新しい客が、少し間を置いて入ってくる。注文を受けるたびに、太めん・細めんの別を尋ねている。毎回尋ねるのは面倒だろう、店内のどこかにその旨を掲示でもしておけばいいのにと思うが、言葉を掛けて尋ねるのは理由があってのことかもしれないなどとも思う。
私より後に細めんを注文した人は、すでに食べ始めている。お腹がすくと、気が短くなるらしい。訳の分からない心の声に押されて、太めんを注文してしまったことを悔やんでももう遅い。
運ばれてきた盆の上に、新書版の本ぐらいの大きさの白い紙がのっていた。ペーパーナプキンかなと思って手に取ると、折り畳んだ紙のエプロンだった。カレーうどんを食べる時は、ツユがはねることに注意をしなければならない。しかしいくら注意しても、はねて着衣が汚れてしまう。それを防ぐためのものなのだろう。
カレーうどんを食べるために、エプロンを掛けるなどということは初めてのことだ。汚れないようにするためとはいえ、どうにも大げさな感じがして、つけるのをためらう気持ちもあったが、せっかく用意されているものだからと気を取り直して、着用に及んだのだった。
エプロンを掛けたのだが、それでもなおはねないよう十分に注意して、汁まで全部飲み干して昼食が終わった。エプロンをはずして子細に点検したところ、二箇所に黄色いシミができていた。
すでに1時を過ぎていた。12時から1時の間は、昼休みのサラリーマン諸氏で混むので、昼食を摂るのは空腹を我慢してでも、1時を過ぎてからの方がよい。ただ、ランチタイムの恩恵を受けられないことにもなる。銀座でもランチタイムには、ワンコイン(500円)でおいしい昼食を食せる店があるそうだが、限定何食という場合が多いということだから、1時過ぎではありつけることは望むべくもない。
ブラブラと歩いていくと、とある街角に「木屋」といううどん屋さんがあった。店頭のディスプレイを覗くと、カレーうどんが目に入った。それを見ただけで無性にカレーうどんを食べたくなった。
店内は数名の先客がいるだけで、すぐに空いた席に案内された。メーニューを持ってきてくれたが、それには目を通さず、すぐに注文の品を告げた。するとこんなことを尋ねられた。
「ゆで上がるのに、細めんは6分、太めんは12分かかりますが、どちらがよろしいでしょうか」
細めんにも心が動いたが、カレーうどんの麺は、太くなくてはいけないという声がどこかともなく聞こえた。太めんは倍の時間がかかるが、急いで食べなければならないということはない。
「太めんでおねがいします」
一人二人と新しい客が、少し間を置いて入ってくる。注文を受けるたびに、太めん・細めんの別を尋ねている。毎回尋ねるのは面倒だろう、店内のどこかにその旨を掲示でもしておけばいいのにと思うが、言葉を掛けて尋ねるのは理由があってのことかもしれないなどとも思う。
私より後に細めんを注文した人は、すでに食べ始めている。お腹がすくと、気が短くなるらしい。訳の分からない心の声に押されて、太めんを注文してしまったことを悔やんでももう遅い。
運ばれてきた盆の上に、新書版の本ぐらいの大きさの白い紙がのっていた。ペーパーナプキンかなと思って手に取ると、折り畳んだ紙のエプロンだった。カレーうどんを食べる時は、ツユがはねることに注意をしなければならない。しかしいくら注意しても、はねて着衣が汚れてしまう。それを防ぐためのものなのだろう。
カレーうどんを食べるために、エプロンを掛けるなどということは初めてのことだ。汚れないようにするためとはいえ、どうにも大げさな感じがして、つけるのをためらう気持ちもあったが、せっかく用意されているものだからと気を取り直して、着用に及んだのだった。
エプロンを掛けたのだが、それでもなおはねないよう十分に注意して、汁まで全部飲み干して昼食が終わった。エプロンをはずして子細に点検したところ、二箇所に黄色いシミができていた。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2008年12月10日
成徳書院
今日が返却の期限日の本を返すため、夕方図書館に行った。途中ホームセンターに寄ったため、着いた時はすっかり暗くなっていた。この時間になると、閲覧室のカウンターでは高齢の人が働いている。本を返す時、胸に付けられていたプレートを見ると、シルバー人材センターと記されていた。
市立図書館の開館時間は、平日は午後8時までと、かなり遅くまで利用できるようになっている。土・日も午後8時まで開館している。お役所仕事は5時で終わるものと決まっているが、図書館が8時まで利用できるということは、勤めのある人にとってもありがたいことに違いない。
他の市について調べてみたところ、お隣の八千代市は地域によってバラツキがあり、5時または7時となっていた。千葉市の図書館の閉館時間も同じようなものだった。土・日も午後8時まで開館している図書館は、周辺の市では存在しなかった。
佐倉市が図書館を遅くまで開いているのは、堀田正睦の教育改革の伝統を引き継いでいるのだろうか。たまたまリレー講座の第6回「堀田正睦と藩校成徳書院」を聴いたばかりなので、そんなふうに思われる。
寛政四年(1792年)に藩校「学問所」が創設され、1805年に「温故堂」と改められ、正睦の時代に「成徳書院」と改称された(1836年)。明治に入ってからは県に移管され、現在は佐倉高等学校になっている。
成徳書院という名称から、少し大きな寺子屋のような印象を与えるが、実際には非常に組織的に整備された学校で、付属の医学部(医学所)を持った総合大学とでも呼ぶべき高等教育機関だったようだ。
市立図書館の開館時間は、平日は午後8時までと、かなり遅くまで利用できるようになっている。土・日も午後8時まで開館している。お役所仕事は5時で終わるものと決まっているが、図書館が8時まで利用できるということは、勤めのある人にとってもありがたいことに違いない。
他の市について調べてみたところ、お隣の八千代市は地域によってバラツキがあり、5時または7時となっていた。千葉市の図書館の閉館時間も同じようなものだった。土・日も午後8時まで開館している図書館は、周辺の市では存在しなかった。
佐倉市が図書館を遅くまで開いているのは、堀田正睦の教育改革の伝統を引き継いでいるのだろうか。たまたまリレー講座の第6回「堀田正睦と藩校成徳書院」を聴いたばかりなので、そんなふうに思われる。
寛政四年(1792年)に藩校「学問所」が創設され、1805年に「温故堂」と改められ、正睦の時代に「成徳書院」と改称された(1836年)。明治に入ってからは県に移管され、現在は佐倉高等学校になっている。
成徳書院という名称から、少し大きな寺子屋のような印象を与えるが、実際には非常に組織的に整備された学校で、付属の医学部(医学所)を持った総合大学とでも呼ぶべき高等教育機関だったようだ。
posted by 里実福太朗 at 22:44| 里ふくろうの日乗
2008年12月08日
冬鳥がやってきた
師走に入ってから、一週間が過ぎた。在職中はこれからが追い込みで、忙しい毎日が続いた。今はそんな忙しさとは縁がないはずなのだが、木枯らしに吹き飛ばされていくように毎日が過ぎていくと、やはり年末の慌ただしさが感じられてくる。
ディスプレイの画面から目を庭に転じると、楓が見える。少し前までは、木全体が紅葉していたが、少しずつ落葉して、今は一割程度を残すだけになっていた。その時、見慣れない鳥が一羽、近くの枝にとまった。急いでカメラを取り出して、その姿を写した。


胸がオレンジ色で、羽根の一部が白い。これは珍しい鳥に違いないと思い、野鳥図鑑で調べてみたところ、ジョウビタキらしいということが分かった。ただ、期待したほど珍しい鳥ではないらしい。全国的に見られる冬鳥で、生息地は明るい林や農地、市街地にも飛来するということだ。
紅葉もそろそろ終わりとなり、冬鳥のジョウビタキが姿を見せ、冬もこれからが本番となる。
ディスプレイの画面から目を庭に転じると、楓が見える。少し前までは、木全体が紅葉していたが、少しずつ落葉して、今は一割程度を残すだけになっていた。その時、見慣れない鳥が一羽、近くの枝にとまった。急いでカメラを取り出して、その姿を写した。


胸がオレンジ色で、羽根の一部が白い。これは珍しい鳥に違いないと思い、野鳥図鑑で調べてみたところ、ジョウビタキらしいということが分かった。ただ、期待したほど珍しい鳥ではないらしい。全国的に見られる冬鳥で、生息地は明るい林や農地、市街地にも飛来するということだ。
紅葉もそろそろ終わりとなり、冬鳥のジョウビタキが姿を見せ、冬もこれからが本番となる。
posted by 里実福太朗 at 23:49| 里ふくろうの日乗
2008年12月07日
リレー講座5・6回と企画展示
リレー講座が昨日・今日と連続で行われた。
12月6日(土)
堀田正睦と藩校成徳書院
講師:外山信司
佐倉市文化財審議会委員
会場:国立歴史民俗博物館
内容
1.藩校から旧制中学、新制高校へ〜佐倉高校のあゆみ〜
2.「鹿山文庫」とは
3.藩校創設前後の佐倉藩
4.堀田正睦の登場と「天保の改革」
5.成徳書院と「文武芸術の制」
12月7日(日)
初代総領事ハリスと玉泉寺
講師:村上文樹
静岡県下田市玉泉寺住職
会場:佐倉市立美術館
内容
1.開国を迫るアメリカの事情
2.日本駐箚(ちゅうさつ)前のハリス
3.下田入港
4.総領事館の設置
5.総領事官の人々
6.総領事官の日々 江戸出府
7.日米修好通商条約
8.玉泉寺と渋沢栄一子爵
現在佐倉市立美術館では、企画展示「日米修好に駆けた藩主 堀田正睦」が行われている。リレー講座も同じ場所で行われているので、少し早めに家を出て、そちらの展示にも足を運んでみた。展示点数147点の充実した内容だった。
12月6日(土)
堀田正睦と藩校成徳書院
講師:外山信司
佐倉市文化財審議会委員
会場:国立歴史民俗博物館
内容
1.藩校から旧制中学、新制高校へ〜佐倉高校のあゆみ〜
2.「鹿山文庫」とは
3.藩校創設前後の佐倉藩
4.堀田正睦の登場と「天保の改革」
5.成徳書院と「文武芸術の制」
12月7日(日)
初代総領事ハリスと玉泉寺
講師:村上文樹
静岡県下田市玉泉寺住職
会場:佐倉市立美術館
内容
1.開国を迫るアメリカの事情
2.日本駐箚(ちゅうさつ)前のハリス
3.下田入港
4.総領事館の設置
5.総領事官の人々
6.総領事官の日々 江戸出府
7.日米修好通商条約
8.玉泉寺と渋沢栄一子爵
現在佐倉市立美術館では、企画展示「日米修好に駆けた藩主 堀田正睦」が行われている。リレー講座も同じ場所で行われているので、少し早めに家を出て、そちらの展示にも足を運んでみた。展示点数147点の充実した内容だった。
posted by 里実福太朗 at 23:55| 里ふくろうの日乗
2008年12月05日
キムタク派とゴロウ派
テレビコマーシャルのキムタクとゴロウクンとのやりとりを見ると、キムタクの気持ちがいたいように分かって、いつも彼に同情するのである。
CMの中でのキムタクは、電子機器をなんなく使いこなすことができるタイプなのである。対してゴロウクンは、どうも機械音痴のようなのだ。そんなゴロウクンが頼りにしているのはキムタク。ちょうど同じ種類のテレビを持っていて、分からないことがあるといつも電話で問い合わせる。
キムタクが居間のソファで横になり、ウトウトと至福の時を過ごしている時、ゴロウクンから問い合わせの電話。きっとイヤな予感がしたに違いない。案の定、テレビに関する問い合わせ。ゴロウクンは、キムタクがテレビをネットにつないで楽しんでいるのを知って、そのやり方を尋ねてきたのだ。
至福の時間を邪魔されて、その上面倒なことに巻き込まれ、キムタクは眉根を寄せながらも、
「テレビにさすんだよ」
と教えてあげる。電話といえども、声の調子で相手が不機嫌になっているのは分かりそうなものだが、ゴロウクンは知ってか知らずか、
「なにを?…なにを?なにを?なにを?」
と連呼する。
このCMを見て、
「かわいそうだなー」
とつぶやくと、夫人が
「ゴロウクンね」
と言うではないか。もちろん私はキムタクがかわいそうだと同情して言ったのだが、夫人は、機械音痴のゴロウクンが、キムタクに冷たくあしらわれているのを見て、かわいそうだと思ったらしいのだ。
私は思い知らされたのだった、「私とあなたとは違うんですよ」ということを。そして、世の中の人を大ざっぱに分けると、キムタク派とゴロウ派とに分かれるんだろうな、と深く思いを致すことになったのでした。
CMの中でのキムタクは、電子機器をなんなく使いこなすことができるタイプなのである。対してゴロウクンは、どうも機械音痴のようなのだ。そんなゴロウクンが頼りにしているのはキムタク。ちょうど同じ種類のテレビを持っていて、分からないことがあるといつも電話で問い合わせる。
キムタクが居間のソファで横になり、ウトウトと至福の時を過ごしている時、ゴロウクンから問い合わせの電話。きっとイヤな予感がしたに違いない。案の定、テレビに関する問い合わせ。ゴロウクンは、キムタクがテレビをネットにつないで楽しんでいるのを知って、そのやり方を尋ねてきたのだ。
至福の時間を邪魔されて、その上面倒なことに巻き込まれ、キムタクは眉根を寄せながらも、
「テレビにさすんだよ」
と教えてあげる。電話といえども、声の調子で相手が不機嫌になっているのは分かりそうなものだが、ゴロウクンは知ってか知らずか、
「なにを?…なにを?なにを?なにを?」
と連呼する。
このCMを見て、
「かわいそうだなー」
とつぶやくと、夫人が
「ゴロウクンね」
と言うではないか。もちろん私はキムタクがかわいそうだと同情して言ったのだが、夫人は、機械音痴のゴロウクンが、キムタクに冷たくあしらわれているのを見て、かわいそうだと思ったらしいのだ。
私は思い知らされたのだった、「私とあなたとは違うんですよ」ということを。そして、世の中の人を大ざっぱに分けると、キムタク派とゴロウ派とに分かれるんだろうな、と深く思いを致すことになったのでした。
posted by 里実福太朗 at 21:27| 里ふくろうの日乗
2008年12月04日
私の流行語大賞
流行語大賞の候補として60語が選ばれ、そこからさらに絞り込まれ、トップテンとして以下の言葉が選ばれた。
○グ〜! お笑い芸人 エド・はるみ
○アラフォー 女優 天海祐希
○上野の413球 ソフトボール選手 上野由岐子
○居酒屋タクシー 衆議院議員 長妻昭
○名ばかり管理職 日本マクドナルド店長 高野広志
○埋蔵金 元自民党幹事長 中川秀直
○蟹工船 ブックエキスプレス ディラ上野店店員 長谷川仁美
○ゲリラ豪雨 (株)ウェザーニューズ 代表取締役 石橋博良
○後期高齢者 マスターズ陸上競技選手 山崎英也
○あなたとは違うんです
受賞候補者辞退のため、該当者なし
この中から年間大賞二つが選ばれた。
◎グ〜!
◎アラフォー
個人的には、最後の「あなたとは違うんです」を選びたいところだが、残念ながら福田元首相が辞退してしまった。
この言葉が使われた場面と言い方がまずかったため尊大な印象を与えてしまったが、その場面と切り離し、言い方も少し変えてみれば、なかなか含みのある言葉だということが分かってくる。
世の中には何から何まで自分と同じという人間はいないわけで、「あなた」つまり他者との違いを意識することで、自分という人間が少しづつ分かってくるようなところがあると思うんですね。自分の内面を見つめることの大切さを唱える向きもありますが、そんなことばかりしていると、内へ内へと入り込んで行ってしまい、いつのまにか心のエネルギーを浪費してしまって、「私って何?」状態になってしまうのが落ちなんです。
福田元首相は、「私とあなたとは違う」ということを、常々考えていたのかもしれません。ただそこにエリート意識が入り込んでしまったため、記者に問い詰められて思わず自制を失ってしまい、あのような尊大な言い方になってしまったのでしょう。
自分の方が優れているんだと思っていれば、エリート臭が漂い始め、逆に相手の方が優れていると感じれば、劣等意識にさいなまれる。こんなふうにどちらか一方に偏らないようにするためには、できるだけたくさんの人を複数の視点で見て、「私とあなたとは違う」点を数多く知り、単純に彼我の優劣を決めてしまう過ちに陥らないようにすることが大切なんでしょう、どうも平凡な結論になってしまいましたが。
○グ〜! お笑い芸人 エド・はるみ
○アラフォー 女優 天海祐希
○上野の413球 ソフトボール選手 上野由岐子
○居酒屋タクシー 衆議院議員 長妻昭
○名ばかり管理職 日本マクドナルド店長 高野広志
○埋蔵金 元自民党幹事長 中川秀直
○蟹工船 ブックエキスプレス ディラ上野店店員 長谷川仁美
○ゲリラ豪雨 (株)ウェザーニューズ 代表取締役 石橋博良
○後期高齢者 マスターズ陸上競技選手 山崎英也
○あなたとは違うんです
受賞候補者辞退のため、該当者なし
この中から年間大賞二つが選ばれた。
◎グ〜!
◎アラフォー
個人的には、最後の「あなたとは違うんです」を選びたいところだが、残念ながら福田元首相が辞退してしまった。
この言葉が使われた場面と言い方がまずかったため尊大な印象を与えてしまったが、その場面と切り離し、言い方も少し変えてみれば、なかなか含みのある言葉だということが分かってくる。
世の中には何から何まで自分と同じという人間はいないわけで、「あなた」つまり他者との違いを意識することで、自分という人間が少しづつ分かってくるようなところがあると思うんですね。自分の内面を見つめることの大切さを唱える向きもありますが、そんなことばかりしていると、内へ内へと入り込んで行ってしまい、いつのまにか心のエネルギーを浪費してしまって、「私って何?」状態になってしまうのが落ちなんです。
福田元首相は、「私とあなたとは違う」ということを、常々考えていたのかもしれません。ただそこにエリート意識が入り込んでしまったため、記者に問い詰められて思わず自制を失ってしまい、あのような尊大な言い方になってしまったのでしょう。
自分の方が優れているんだと思っていれば、エリート臭が漂い始め、逆に相手の方が優れていると感じれば、劣等意識にさいなまれる。こんなふうにどちらか一方に偏らないようにするためには、できるだけたくさんの人を複数の視点で見て、「私とあなたとは違う」点を数多く知り、単純に彼我の優劣を決めてしまう過ちに陥らないようにすることが大切なんでしょう、どうも平凡な結論になってしまいましたが。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2008年12月02日
ブリヂストン美術館の愉悦
「ぐるっとパス」は、今日で有効期限が切れてしまった。最後のあがきで、今日も何ヶ所か巡ろうと思っていたのだが、朝のうちは雨が降り寒くもあったので、無念ではあるが取りやめとした。
ぐるっとパスを利用した美術館は以下の通り。
東京都美術館…フェルメール展
三井記念美術館…森川如春庵の世界
ブリヂストン美術館…都市の表象と心象
森川如春庵という名前は初めて耳にした。それもそのはずで、今までまったく縁がなかった茶の湯の道に生きた人だった。若い頃から趣味の世界に生き、一生仕事を持たずに過ごしたという経歴に、違和感を感じてしまうのも、そんな生活ができるはずもなかった人間のひがみからくるのだろう。
展示品はほとんど茶器だった。中には国宝の茶碗(志野茶碗、銘卯花墻)もあったが、国宝となっているからきっとすばらしいモノなのだろうな、と思う程度の理解力なのである。だからといって、分かろうとする意欲が湧いてこないのは、所詮縁遠い世界で珍重されているモノだからなのだろうか。
一番心に残ったのは、ブリヂストン美術館だった。アカイヌ王国のお二人が、土曜日に上野公園に行ったそうだ。その時の混雑はすごいもので、フェルメール展などは、館外まで行列ができていたそうだ。平日だからなのかもしれないが、ブリヂストン美術館はそんな混雑とは縁がなく、ゆっくりと一枚一枚の絵を見ることができた。
フェルメール展では、人の肩越し・頭越しに見るより仕方がなかった。しかしブリヂストン美術館では、広いとは言えない部屋に数点の絵が飾られ、一枚一枚の絵を独占して見ることができた。しかも美術に詳しくない人間でも知っている名の通った名画を、イスに座ってじっくり見入ることができたのである。さらに館長さんが、絵を見て回りながら解説を加えてくれる時間もあって、門外漢にはなかなか勉強になるのであった。
マネ・モネ・ルノワール・セザンヌといった印象派からポスト印象派の作品が特に充実している。小さく区切られた展示室で、そういった高名な画家の作品と一対一で向き合い、ある時は作品の間近に顔を近づけて凝視し、ある時は大きく離れて遠くから眺めるといったことができるとのは、なによりもまして贅沢なことだった。
ぐるっとパスを利用した美術館は以下の通り。
東京都美術館…フェルメール展
三井記念美術館…森川如春庵の世界
ブリヂストン美術館…都市の表象と心象
森川如春庵という名前は初めて耳にした。それもそのはずで、今までまったく縁がなかった茶の湯の道に生きた人だった。若い頃から趣味の世界に生き、一生仕事を持たずに過ごしたという経歴に、違和感を感じてしまうのも、そんな生活ができるはずもなかった人間のひがみからくるのだろう。
展示品はほとんど茶器だった。中には国宝の茶碗(志野茶碗、銘卯花墻)もあったが、国宝となっているからきっとすばらしいモノなのだろうな、と思う程度の理解力なのである。だからといって、分かろうとする意欲が湧いてこないのは、所詮縁遠い世界で珍重されているモノだからなのだろうか。
一番心に残ったのは、ブリヂストン美術館だった。アカイヌ王国のお二人が、土曜日に上野公園に行ったそうだ。その時の混雑はすごいもので、フェルメール展などは、館外まで行列ができていたそうだ。平日だからなのかもしれないが、ブリヂストン美術館はそんな混雑とは縁がなく、ゆっくりと一枚一枚の絵を見ることができた。
フェルメール展では、人の肩越し・頭越しに見るより仕方がなかった。しかしブリヂストン美術館では、広いとは言えない部屋に数点の絵が飾られ、一枚一枚の絵を独占して見ることができた。しかも美術に詳しくない人間でも知っている名の通った名画を、イスに座ってじっくり見入ることができたのである。さらに館長さんが、絵を見て回りながら解説を加えてくれる時間もあって、門外漢にはなかなか勉強になるのであった。
マネ・モネ・ルノワール・セザンヌといった印象派からポスト印象派の作品が特に充実している。小さく区切られた展示室で、そういった高名な画家の作品と一対一で向き合い、ある時は作品の間近に顔を近づけて凝視し、ある時は大きく離れて遠くから眺めるといったことができるとのは、なによりもまして贅沢なことだった。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2008年12月01日
「天空の棚田」写真展
昨日は、夫人の知り合いの方の紹介で、市立美術館の写真展に行ってきた。昨日が最終日だった。字は違うけれども、同じ「さとみ」ということもあり、外出が続いていたが出かけてみることにしたのだった。
里見芳郎 写真展
雲南 天空の棚田 暮らす人々
http://shakoukai.hp.infoseek.co.jp/sha_img/sato/hagaki.html
中国雲南省には、世界最大規模の棚田が広がる。春秋冬の季節にそこを訪れ、棚田とそこに暮らす人々を撮影した。その写真が多数展示されていた。なかなか見ごたえがあった。
千葉にも大山千枚田という棚田がある。実際に両方の棚田を見て比べたわけではないが、写真で見る限り、規模はかなり違うようだ。
大山千枚田
http://www.senmaida.com/modules/myalbum/
雲南の棚田
http://www.anthrop.net/unnantour/kouka/wu/shiki/index.htm
里見氏の写真はWebにアップされていないようなので、呉亜民という人が撮影した写真へのリンクを載せておいた。
雲南の棚田を撮影するために、里見氏は撮影ツアーに参加したそうだ。
雲南旅行
http://www.anthrop.net/unnantour/index.htm
雲南棚田文化の旅
http://www.unnantour.com/tour/nationalities/nat_0306.html
その撮影ツアーでで案内役を務めたのが、呉亜民氏だったらしい。。
http://www.anthrop.net/unnantour/kouka/wu/profile.htm
里見芳郎 写真展
雲南 天空の棚田 暮らす人々
http://shakoukai.hp.infoseek.co.jp/sha_img/sato/hagaki.html
中国雲南省には、世界最大規模の棚田が広がる。春秋冬の季節にそこを訪れ、棚田とそこに暮らす人々を撮影した。その写真が多数展示されていた。なかなか見ごたえがあった。
千葉にも大山千枚田という棚田がある。実際に両方の棚田を見て比べたわけではないが、写真で見る限り、規模はかなり違うようだ。
大山千枚田
http://www.senmaida.com/modules/myalbum/
雲南の棚田
http://www.anthrop.net/unnantour/kouka/wu/shiki/index.htm
里見氏の写真はWebにアップされていないようなので、呉亜民という人が撮影した写真へのリンクを載せておいた。
雲南の棚田を撮影するために、里見氏は撮影ツアーに参加したそうだ。
雲南旅行
http://www.anthrop.net/unnantour/index.htm
雲南棚田文化の旅
http://www.unnantour.com/tour/nationalities/nat_0306.html
その撮影ツアーでで案内役を務めたのが、呉亜民氏だったらしい。。
http://www.anthrop.net/unnantour/kouka/wu/profile.htm
posted by 里実福太朗 at 23:04| 里ふくろうの日乗