2009年01月31日

家族も医療スタッフの一員

昨夜は雨風が吹き荒れた。トタン屋根が強風にあおられゴボゴボと音をたて、さながら季節外れの台風という暴れ方だった。今朝も雨が残ったが、7時半過ぎに家を出るころには、小雨になっていた。久しぶりで早起きしたのは、一週間ぶりでお見舞いに行くためだった。

入院している人にとって、見舞客があることはうれしいことなのだろうか、それとも人と会うことで神経が高ぶり、見舞客が帰ったあとも、尖った神経がなかなか鎮まらないということになるのだろうか。生まれてこの方入院したことのない身にとっては、そのあたりが今ひとつよく分からない。こんなことを思うのも、ガンを患って入院した父親が、ほんの一握りの人を除いて入院したことを伏せておき、見舞いの人に会わなかったことが記憶に残っているからかも知れない。

ただ、家族も医療スタッフの一員というとらえ方もあるそうだから、家族ではないけれど、一族の末席には連なっている人間が顔を見せれば、何かの役に立つかもしれない。また、入院期間が長くなれば、医療スタッフの一員である家族に疲労の色が濃くなることは避けられない。そんなことも気になって出かけたのだった。

先週と同じルートで飛田給まで行った。ただ、先週の轍を踏まないよう、前もって乗換案内で念入りに調べておいた。「快速橋本行き」に乗ったら、調布駅で普通電車に乗り換えるのではなく、つつじヶ丘駅で乗り換えれば、間違うことなく飛田給まで行くことができるということも分かった。ということで、今日は一度も迷うことなく榊原記念病院までたどり着くことができたのだった。

前回来たとき、飛田給から病院までのバスの時刻表をデジカメにおさめておくことを忘れてしまったので、今日は忘れずに撮っておいた。

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(雨が降っているため水滴が付着)

午前と午後との違いはあるかもしれないが、先週とは違って、今日は駐車場にかなりの数の車がとまっていた。なお、駐車料金は次のようになっていた。

利用時間:終日(24時間)
整理料金
 外来診療…3時間まで200円
        以後30分ごとに100円加算
 見舞い……30分まで100円
        以後30分ごとに200円加算
 一般………30分ごとに200円加算

注意事項(抜粋編集)
…外来診療・見舞の場合は、駐車券検印所で検印を受ける。検印がないと、割引とはならない。



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2009年01月28日

手術の朝

今朝も昨日と同じように、7時頃目が覚めてしまった。勤めていた時は、6時前には起きていたというのに、今では夜更かしの癖がついてしまい、朝7時に起きることなど、特別な用事でもなければ絶えて久しくないことだった。だから7時起床ならば、三文以上得するはずなのだが、実際には寝たりないことで頭がもうろうとして、大損した感じだった。

どうして目が覚めてしまったのか考えてみると、やはり或る人の心臓手術のことが気に掛かっていたからなのだろう。昨日はその人の手術が予定されていた。あらかじめ検査を重ね、手術を受けるための万全な準備をしておけば、難しい心臓手術であっても成功率は100%だと聞く。

しかしそうではあっても、時々最悪の事態が心をよぎることもある。そういう時は成功率が100%であることを意識的に思って、心配ごとを閉じ込めて自分を安心させていたようなところがあった。そんなふうに閉じ込めておいたものが、朝方眠りが少し浅くなった時に、意地悪く目覚めの方向へと向かわせてしまったのだろう。

いつもなら床の中でぐずぐずしている内に、再び眠りに落ちてしまうのだが、そういう至福の眠りが訪れて来ることは二度となく、頭は冴えてくるばかりだった。仕方なく二度寝を楽しむことはあきらめて、起きることにした。

雨戸を開けると、冬の陽光がいっきに闇の中に飛び込んできた。ベランダに出てみると、外はほぼ無風だった。そのまま部屋の中に戻るのが惜しくなり、昨年の夏、夕涼みのために買い求め、そのままそこに置いてあった長いすに腰をおろして、暖かい冬の朝日の恩恵を受けることにしたのだった。

近くの電線にうぐいす色の小さな鳥がとまり、体を小さく動かしながらさえずり始めた。メジロだった。周囲の空気に耳が慣れてくるにしたがって、其処ここからいろいろな鳥の鳴き声が聞こえてくるようになった。「キー」というするどい鳴き声が聞こえて、二羽のヒヨドリが、前の家の庭木の間に潜り込みじゃれ合い始めた。地面から舞い上がったスズメのクチバシには、細い枯れ枝がはさまれていた。どうやら巣作りのための資材を集めているらしい。

鳥たちはもう春を迎える準備に入っていた。そんな小さな命の賑わいを飽きず眺めていたら、いつの間まにか、いつもの起きる時間になっていた。

病院で待機していた人から聞いた話によれば、手術は午前9時から始まり、午後3時頃に終わったということだった。その後ICUに入った。深夜になって麻酔から覚め、意識が戻ったということが、今朝病院からの連絡で分かったということだった。今日明日にでも、元の病室に自力で歩いて戻り、以後二週間ほどのリハビリテーションを受けることになるそうだ。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月27日

榊原記念病院

飛田給駅は郊外の私鉄の駅としてはかなり規模が大きかった。それもそのはずで、駅近くには味の素スタジアムがあり、サッカーの試合が行われる場合にはかなりの人出になるからだった。改札口の手前には広いスペースが確保され、高い天井からは味の素スタジアムをホームとするFC東京と東京ヴェルディのフラッグが垂れ下がっていた。

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■飛田給駅から榊原記念病院までは、バスの利用あるいは徒歩となる。
〔バス〕
○飛田給駅北口から多磨駅行きで約5分
○15分から20分間隔で運行
○片道200円
○ICカードの使用可
○榊原記念病院の乗降場所は、正面出入り口前
〔徒歩〕
○約15分

■面会
○面会は24時間対応ではあるが、緊急時を除き、面会相手の状態等を考慮して常識的な範囲で行わなければならないことは言うまでもない。
○面会受付は正面入口を入ったところにある。
○小さなカードに必要事項(面会相手の氏名、関係、病室番号など)を記入する。
○病室番号が分からない場合は、調べて教えてくれる。そして電話で、たとえば「……さんの弟さんが面会です」と連絡を入れる。

■院内設備
○売店
○レストラン
 コーヒー:250円
ともに規模としては大きくない。

榊原記念病院
http://www.shi-heart.org/guide/top.html
posted by 里実福太朗 at 23:43| 里ふくろうの日乗

2009年01月24日

飛田給駅まで

榊原記念病院は、循環器専門病院として全国トップクラスの手術数を記録している。2006年の心臓手術の全国ランキングは、榊原記念病院のウェブサイトに掲載されているデータによれば、総数746件で全国2位だった。
http://www.shi-heart.org/guide/sinryou/result01.html

さらに、週刊朝日の『手術数でわかる「いい病院 全国ランキング」』によれば、2007・2008年度は年間手術数が1000件を超え、ともに1位だったらしい。

その榊原記念病院に、ある人を見舞うために行ってきた。路線案内で調べてみると、千葉の佐倉から要する時間は2時間弱となっているが、家を出てから病院に到着するまでの総時間は2時間以上を覚悟しておかなければならない。

〔予定したルート〕
自宅最寄り駅
 ↓京成本線
京成八幡駅
 ↓徒歩
本八幡駅
 ↓都営新宿線・京王線
調布駅
 ↓京王線
飛田給駅
 ↓バス
榊原記念病院

このルートならば、自宅最寄り駅から約1時間50分で飛田給駅に到着できるはずだった。お昼過ぎに病院に着くためには、家を10時過ぎに出れば、途中どこかで昼食をとっても十分間に合うだろうと目論んだのだった。ところが、世の中ままならない。ちょっとした失敗があって、予定の到着時間から大きく遅れることになってしまったのだった。

本八幡駅から乗った都営新宿線は、「快速橋本行き」だった。飛田給駅には快速電車が止まらないから、調布駅で乗り換えることにした。時間は十分あるので、乗り換えついでに、調布駅前で軽い昼食をとることにした。

駅前のドトールから出ると、雪が舞っていた。今冬初めて見る雪だった。時間はまだ十分ある。しばらく立ち止まって、駅前広場に降る雪を眺めていた。

調布駅の階段の手すりは、波打ったような形状になっている。あまりほかの駅では見かけないのだが、どうしてそのような形状の手すりにしたのかよく分からない。よく分からないが、現実のものとしてそこに存在するのだから、写真に撮っておくべきだろうなと思い、多少他人の目を意識しながら2枚ほど撮っておいた。

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ホームには、ちょうど各駅停車の「橋本行き」がとまっていた。これに乗れば、二駅目が飛田給駅になるはずだ。何の疑問も抱かず乗り込み、発車するまで車窓の外を眺めていた。雪はすでにやんでいた。

電車は、京王多摩川駅を過ぎ多摩川を渡ると、京王稲田駅に停車した。調布駅から二駅目は飛田給のはずなのだが、これはどうしたことだろう。慌てて席を立ち、ドアの上部にある路線図で確認してみた。驚くことに「橋本行き」は、調布駅で本線と分かれて相模原線に入り、飛田給方面には行かないのだった。そうであれば、この電車は降りなければならない。しかし無情にも、電車のドアは閉まったのだった。

結局「京王よみうりランド」駅まで行き、そこから引き返すことになってしまった。この駅には初めて降り立つ。駅近くに、よみうりランド行きのゴンドラの発着場があった。こういう光景はあまり見かけたこともなく、せっかくだからと上りの電車を待つ間に撮影しておいた。

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posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月23日

アート・フォト・サクラ

多くの人命を失った「八甲田山の日」「真白き富士の嶺の日」である今日は、父親の命日でもあった。また「1月23日」を「ワンツースリー」と読んで、元気よくジャンプするように人生に立ち向かっていこうという日でもあるそうだ。

雨は午前中であがり、三月の気温となる暖かい一日だった。午後、銀行で用事をすませた後、佐倉市立美術館に行ってみた。もちろん写真展「アート・フォト・サクラ」を見るためである。

佐倉市立美術館は今まで何回か訪れたことがある。1階にあるカフェ「ブォナ ジョルナータ」(どうしてこんな難しい名前をつけるんだろう)で、コーヒーを飲んだことも一度ある。その時は客が2〜3組みだけで、お節介にも店の行く末を心配したのだった。

ところが今日は、雰囲気がいつもと違っていた。すべてのテーブルが埋まっていて、いかにもおしゃべりを楽しんでいるという和やかな雰囲気が漂っていた。2階の展示室も、混雑というほどではないが、入場者が途切れることはなかった。

受付を入って右手に目を転じると、正面の壁の中央あたりに展示されている写真が、私の作品であることにすぐ気づいた。なかなか良い場所に展示されていてヨシヨシと思ったのだが、五十音順に展示されていて、ちょうど私の作品がその位置に来たというわけだった。

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展示作品数はちょうど150点だった。受付で受け取ったアンケート用紙に、気に入った作品を5点こたえなければならないのだが、150作品の中から5点だけ選び出すのはなかなか難しいことだ。私の作品を除くと、4点ということになるからますます難しくなる。

応募者数は150人で、応募点数は350点だったそうだ。一人あたり2〜3点出品したことになる。その中から一人一点を選び展示したということだから、出品者全員の作品が展示されたということなのだった。全員の作品が展示されたということではあっても、自分の作品がたくさんの人に見てもらえるのはうれしいものである。

応募者の年齢は、7歳から83歳までと幅広く、中でも60歳台・70歳台が一番多かったそうだ。また佐倉市だけでなく、全国津々浦々から応募があったそうだ。遠く沖縄から出品した人もいたが、その人は展示された自分の作品を見るために、わざわざ佐倉までやって来るのだろうか。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月22日

税務署から届いたもの

親がインフルエンザでダウンしたということで、幼い子を一日あずかることになった。車で引き取りに行くのだが、ガソリンが残り少なくなっていた。いつものセルフのガソリンスタンドで給油してから迎えに行った。
ガソリン価格:97円(会員価格)
一般価格は100円で、その差が今までは2円差だったのが、3円差になっていた。

昨日、税務署から封書が届いた。表には所得税の確定申告書用紙等在中と記されていた。去年はこういった書類が送付されてくることはなく、国税庁ウェブサイトの「確定申告書等作成コーナー」で作成して、印刷したものを郵送した。「e-tax」を利用すれば電子データーとして送信できるのだが、電子証明書の取得が間に合わなかったためそこまではできなかったのだった。

今年、確定申告書用紙が郵送されてきたのは、去年郵送で提出したからと思われる。同封されていたチラシは、のり付けすることで送付用封筒が作成できるというものだった。今年は「e-tax」を利用してみようと準備を進めているところで、今のところは順調にハードルを一つ一つ越えている。このまま順調に進めば、せっかく送ってくれたさまざまな書類も、みな無駄なものとなってしまうだろう。
posted by 里実福太朗 at 23:53| 里ふくろうの日乗

2009年01月19日

確定申告の季節がやってきた(3)

国税電子申告システム「e-Tax」を利用する手順をもう一度確認しておく。2の電子証明書の取得までについては、すでにまとめておいた。
 1.インターネットが利用できる環境
 2.電子証明書の取得
 3.ICカードリードライターの用意
 4.利用者クライアントソフトのダウンロード・インストール
 5.開始届出書の提出
 6.利用者識別番号等の取得

3.ICカードリードライターの用意
公的個人認証サービスで用いる住民基本台帳カードは、ICカードと呼ばれるカードの一種で、そこに情報を記録したり逆に読み込むためには、ICカードリーダライタと呼ばれる機器が必要になる。

このICカードには、公的個人認証サービスに対応していないものもある。また都道府県・市区町村ごとに、利用できるICカードリーダライタが異なるそうだ。どうしてこういう違いが生じるのだろうか。このように利用する機器が統一されていないことが、「e-Tax」の普及を妨げる一因にもなっているのだろう。

現状はこういうバカげた状態ではあるが、そう文句ばかり言っていても始まらない。エリア別に利用できるICカードリーダライタをまとめたページがあるので、それを参照して購入するものを決めることになる。
http://www.jpki.go.jp/prepare/reader_writer/index.html

〔千葉県佐倉市の場合〕
http://www.jpki.go.jp/prepare/pdf/rwlist11.pdf
このページにいくつかメーカーの製品が載っている。ネットで価格を調べて、その中から低価格のものを選んだ。

ジェムアルト社製
PC Twin リーダ・ライタ (旧製品名:GemPCTwin)
ネット通販価格:1890円(税込み)
http://www.gemalto.com/japan/product/pc_link.htm

■ICカードリーダライタの使用手順
USB接続の機器を使用する際と同じような手順で行う。ICカードリーダライタを接続する前に、必ずドライバーをインストールしておく点も同じである。
 (1)ドライバーのインストール
 (2)機器の接続
 (3)動作確認

なお「PC Twin リーダ・ライタ」の場合は、下記ページからドライバーをダウンロードする。
http://www.gemalto.com/japan/support/pctwin.htm

4.利用者クライアントソフトのダウンロード・インストール
「利用者クライアントソフト」とは、公的個人認証サービスを利用する際、住民基本台帳カードに記録された電子証明書を利用するためのソフトウェアで、以下のページからダウンロード・インストールして利用する。

〔利用者クライアントソフトの利用条件等〕
〔ダウンロード〕
http://www.jpki.go.jp/download/win.html

〔インストール〕
〔利用者クライアントソフトおよびICカードリーダライタの動作確認〕
http://www.jpki.go.jp/download/win/install.html

以上で、ようやく公的個人認証サービスを利用する準備が整った。これからはいよいよ「e-Tax」を利用する手順へと進むことになる。

〔ここまででかかった費用〕
 住民基本台帳カード・電子証明書取得手数料:1000円
 ICカードリーダライタ購入費用:1890円

合計は2890円となる。「e-Tax」を利用したことで控除される金額が、これ以上であればいいのだが、さてどうなることだろうか。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月18日

恵方巻の一切れ

午後、隣の八千代市のイトーヨーカ堂に買い出しに行った。夫人が必要なものを買い求めている間、出入り口に設置されているベンチに座って待っていた。いろいろな人が通りすぎるから、見ているだけでも飽きることはない。暇つぶしにはちょうど良い。

少し離れたところに試食コーナーがあった。立てられているノボリを見ると、どうやら恵方巻の試食サービスのようだった。周囲をかなりの数の人たちが取り囲み、店員さんから小さな器を受け取って食べている。そしてあっという間に、その人垣が消えてなくなった。丸見えになったテーブルの上には、空っぽの大皿がのっていた。

しばらくして別の店員さんが、薄く切った太巻きがすき間なく並んでいる大皿を、どこからか運んできた。それが試食用の恵方巻だった。そしていつの間にかテーブルの周りに人が集まってきて、再び試食サービスが始まった。

そんなことが2・3回繰り返された。私もご相伴にあずかろうかなと思い、その人垣に近づいてみると、自然に行列ができているのだ。たとえ試食であっても、行列をつくって並ぶなんて、日本人はなんて行儀の良い国民なんだろう。そんなことを思いながら、行列のシッポをさがしてウロウロしていると、またたくまに恵方巻はなくなっているのだった。

日暮れ時となっていて、空腹を少し感じ始めていた。あの恵方巻の薄い一切れにありつくことができれば、いくらか空腹を癒すことには役立つだろう。こんな気持ちに後押しされて、次に大皿が運ばれてきた時には、あの恵方巻の一切れを必ず手に入れようと決心したのだった。

今までの観察によれば、大皿が運ばれてくるやいなや、どこからか湧いて出てきてすぐに行列ができてしまう。どこからわき出てくるのだろと注視していても、四方八方から出てくるようなのでよく分からない。

大皿が運ばれて来る前に、テーブルの近くに行き、そこで待っているというのはどうだろうかとも考えてみた。しかしそれでは、いかにも「さもしい」感じがする。そんなことは、とうてい自尊心が許してくれそうにもない。

ともかく行列ができる前に、すばやくテーブルの前に駆けつけなければならないことだけは確かだった。結局、ベンチに座っていてもすぐダッシュできるように、足の位置を工夫しておくことにとどめておいた。

テーブルの周囲には、今はまだ誰もいない。店員さんが小走りで、大皿を抱えながらやって来た。テーブル近くに近寄って行く人は、まだ誰もいない。すぐに腰をあげ、恵方巻の一切れを求めて突進した。絶対に一着になるだろうと確信していたが、テーブルの前にはすでに二人が並んでいた。一体どこからわき出てきたのだろうか。

穴子の入った恵方巻は、とてもおいしかった。これで今年はもう恵方巻は食べなくてもいいなと、思わせるほどおいしかった。
posted by 里実福太朗 at 23:50| 里ふくろうの日乗

2009年01月17日

確定申告の季節がやってきた(2)

昨日届いた物がもう一つあった。公的個人認証サービス対応のICカードリーダライタが、宅配便で届いていた。さっそくドライバをインストールして動作確認をしておいた。

国税電子申告システム「e-Tax」を利用するためには、準備しておかなければならないことがある。
 1.インターネットが利用できる環境
 2.電子証明書の取得
 3.ICカードリードライターの用意
 4.利用者クライアントソフトのダウンロード・インストール
 5.開始届出書の提出
 6.利用者識別番号等の取得

1については、以下の国税庁のページに詳しい説明が載っている。
http://www.e-tax.nta.go.jp/systemriyou/systemriyou2.html

また、5・6についてはまだ未実行なので、とりあえず2〜4についてまとめておくことにする。

2.電子証明書の取得
e-Taxで使用できる電子証明書にはいろいろな種類があるようだが、一般の人の場合は、「公的個人認証サービス」を利用することになるだろう。「公的認証サービス」による電子証明書は、申請者の住民票のある市区町村で発行される。私の場合は佐倉市ということになる。

地方公共団体による「公的個人認証サービス」で電子証明書を入手するには、以下の手順で行う。
 2a.住民基本台帳カード(ICカード)の入手
 2b.電子証明書の入手

〔佐倉市の場合〕
市役所市民課で申請すると、住民基本台帳カードと電子証明書を同時に入手することができる。出張所だと二度手間になり日数もかかるので、市役所市民課で申請することをおすすめする。

2a.住民基本台帳カード(ICカード)の入手
〔申請時に必要となるもの〕
申請書:ダウンロード用PDFファイルが用意されている
http://www.city.sakura.lg.jp/simin/form/net/cardsin2004.pdf
(注)写真アリのICカード(Bタイプカード)の場合は、顔写真を添付
   無背景で6ヶ月以内に撮影のもの、縦4.5cm×横3.5cm
    (パスポート用と同じ大きさ)
身分証明書:運転免許証・パスポートなど官公署発行の顔写真のあるもの
(注)市役所市民課で本人が申請した場合は、申請日にカード交付

〔申請場所〕市役所市民課、各出張所
〔手数料〕500円

〔受け取り時に必要なもの〕
暗証番号:ICカードに記憶させる4ケタの数字
       前もって決めておいた方が良い

2b.電子証明書の入手
〔必要となるもの〕
申請書:市役所市民課に用意されている
住民基本台帳カード:電子証明書の記録媒体となる
(注)2a・2b同時に申請した場合は、住民基本台帳カードを入手した後、引き続きその場で電子証明書を入手できる。
暗証番号:英字(大文字)または数字で4文字以上16文字以下

〔申請場所〕市役所市民課のみ
〔手数料〕500円

(つづく)
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月16日

アート・フォト・サクラ

ちょっとした用事があって夕方外出先から帰ると、佐倉市立美術館から封書が届いていた。内容の見当はすぐついた。昨年末、市立美術館で行われる「アート・フォト・サクラ」という写真展に、作品を2点応募しておいた。それの選考結果が届いたのだった。

一つは、神社の境内で秋の夕陽を受けながら物思いに沈むネコの横顔を撮ったものだが、残念ながらこちらは落選してしまった。もう一つは、人間とイヌとのふれあいの一コマを撮ったもので、こちらは選ばれた。自分の撮った写真が、市立美術館に展示されるなどということは、生まれてこの方なかったことで、今年は春から縁起が良い。

写真展の日程は以下の通りです。
お時間がございましたら、どうぞお越し下さい。

第2回 アート・フォト・サクラ
会期:平成21年1月23日〜2月1日
開館時間:午前10時〜午後6時
      (入館は午後5時30分まで)
休館日:月曜日
場所:佐倉市立美術館 2階展示室
入場無料

http://www.city.sakura.lg.jp/museum/index.htm
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月15日

確定申告の季節がやってきた

社会保険庁の社会保険業務センターから、公的年金等の源泉徴収票が送られてきた。20歳代のころ民間企業に勤めていたことがあり、厚生年金保険に数年間加入していた。ほんのスズメの涙程度ではあるが、支給されてるようになってから2年ほどたった。昨年も送られてきて、所得税の確定申告の際に利用した。源泉徴収票が送られてくるということは、もう確定申告のことを考えなければならない時期になったということだ。

昨年は初めて、確定申告をした。勤めていたころは、所得税等々は給料から天引きされていて、税に関する知識などは皆無だった。自分で確定申告するとなると、どうしても最小限のことぐらいは理解しておかなければならないので、少し勉強したのだが、なにしろ年一回のことなので、もう頭の中から消えてしまっている。去年使った書類を引っ張り出して、少しづつ思い出していかなければならないだろう。

実は、今年はインターネットで確定申告をしてみようと思い立ち、準備を進めているところなのだ。去年もインターネット経由で、「e-Tax」を利用して確定申告をしようと試みたのだが、必要となるものが準備できず、また準備するとための費用もかかるのであきらめたのだった。結局、確定申告書をパソコンで作成してから、それを印刷して郵送したのだった。

私は国税庁の回し者ではもちろんないのではあるが、生来の「新しもの好き」が災いして、また「e-Tax」を利用して電子申告すると、最大5000円の控除を受けられるということだから、どの程度の控除額になるかという興味もあってそういう気持ちに傾き、今年は少し早めに準備を始めたのだった。そして今日市役所に赴き、「e-Tax」を利用する際に必要となる電子証明書(公的個人認証サービスに基づく電子証明書)を発行してもらってきたのだ。
(つづく)
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月14日

ガスコンロに火がつかない

リフォームの際に設置したガスビルトインコンロ(HARMAN製、型式名:DG3295NR)の調子が悪くなった。といっても、三つあるバーナーの内の一つ、標準バーナーだけなのだが、それがうまく点火できなくなってしまったのだ。

点火ボタンを押すとバチバチという音がして、いったんはバーナーに火が点くのだが、ボタンから手を離すとすぐに消えてしまう。時々思い出したようにガスが燃え続けてくれることがあるが、思い出すことがないことの方がずっと多い。

そのバーナーだけセンサーが付ているので、そのセンサーの不具合なのかなとも思うが、そうだとしてもどのように対処して良いのかが分からない。説明書を読んでも、そういう症状が出た時の対応の仕方については書かれていない。

そこで製造元のHARMANのホームページを見てみたのだが、やはり分からない。仕方なく「お問い合わせフォーム」を利用して問い合わせてみることにした。それが一昨日(13日)のことだった。昨日は返事がなく、今日もし返事が届かなかったら、電話で問い合わせてみようと思っていたところ、午前中にメールが届いた。それによると、こういうことだった。

センサー付きのバーナーは、他のバーナーより制御関係に電池電圧を必要とするため、電圧が低下すると火を保持しにくくなる。まず、新品の電池に交換してみて、それでもダメだったら修理受付センターに連絡して下さいということだった。

他の二つのバーナーは問題なく点火することができていた。だから電池の電圧が下がっていることには、まったく思いが及ばなかった。さっそく電池を交換して点火ボタンを押してみたところ、ガスは元気に燃え続けたのだった。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月12日

閉店セール

臼井のイトーヨーカ堂が今日で店じまいとなった。この不景気でも、店内が閑散としているというわけではなかったのに、どうして閉店することになったのか、その理由はよくわからない。ただ、こういうことは考えられそうだ。

臼井から佐倉市街へと続く新しい道が通り、その道が広くて快適で、渋滞もなくスイスイと走れるから、人によっては高速道路と呼んでいるそうだ。その道路を走っていくと、道沿いに大きな複合施設が見えてくる。スーパーマーケットをはじめとして、大型電気店そしてスターバックスの店までが入っている。

イトーヨーカ堂の臼井店を利用していたかなりの人は、車で5分も走れば着いてしまうその複合施設を利用するようになっているのだろう。まだ工事中の箇所もある周辺道路が整備されれば、そちらに行く人たちはさらに増えると思われる。そういう周辺事情の変化を見極めて、閉店することに到ったのかもしれない。

閉店する当日の様子を確かめるために、午後出かけてみた。建物の周辺にいくつかの駐車場があるのだが、それらはほぼ車で埋まっていた。屋内の駐車場も満杯で、屋上にやっと駐車スペースが残っていた。

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4・5日前に行った時には、まだかなりの量の商品が残っていて、この不景気なのだから、値下げをしても売れ残るに違いないと思ったのだった。ところが、今日は様子がまったく違っていた。フロアーのあちらこちらにガランとした空間ができていて、あれほどあった商品があと1割程度しか残っていないのだ。たった数日の間に、あらかたの商品が消えていた。

どういう商品が残っているのだろうかと思い、ブラブラ歩きながら商品のいくつかを確かめてみた。たとえば靴の場合、ゴアテックスの靴が残っていた。値札を見るともともとは2万円近くもしている。それが1万円近くまで値下げされ、さらに5割引きの札がついていた。それだけ引かれても、まだ5000円は超えている。売れ残っている他の靴を確かめてみると、やはり最終的な値段が5000円を超えていた。どんなに値が下げられても、5000円を超えていると手を出す人はなく、売れ残ってしまうようだった。

さて、歩き回って調べてみた結果、こんなことが分かった。
○店じまいの当日であっても、投げ売り価格にはならない。値段は数日前と同じだった。
○最終日には、値段の高い商品は残っているが、手頃な値段の物は売り切れている。
こういうことから考えると、商品も多く残っている最終日の数日前に行くのが一番良いようだ。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月10日

人種の違い?

洗濯に出したシャツが、そのあと戻ってこないことが時々あった。いつもなら、夫人がアイロンをかけて、タンスの決められた段に入れておいてくれるのだが、たまに見当たらなくなるのだ。他の場所にしまわれたのかと思い、いろいろな場所をさがしてみても見つからない。

夫人に、
「シャツが一枚足りないんだけど、どうしたんだろう」
と尋ねると、
「アッ」
と言って、なにやら心当たりがありそうな顔になる。そして、二階の息子の部屋に行って、ゴソゴソと探しはじめるのだ。しばらくして、シャツをぶら下げて居間に戻ってくる。
「これかしら」
「そう、そう。それ、それ」
ということで、お気に入りのシャツが手元に戻ってくるのだった。

夫人によれば、息子のものと区別がつかないものがあって、そういう時は、息子が着ていたものと似通っていれば、とりあえず息子のタンスに入れておくそうだ。しばらく経つと、それが息子のものでない場合は、タンスの外に放り出されているので、誰のものかがはっきりすると言っていた。

しかしいつまでも戻ってこないこともあった。戻ってこないということは、いつまでも息子のタンスに入っているということになる。思い出してみると、お気に入りのシャツほどこういうことが起こるのだ。そういうシャツは、少し高価で品質も良い。だから外に放り出されることがないのだろう。なかなか物を見る目があるなと思って、あきらめることになるのだった。

そういうことが度々あると、夫人も判別がつかない時は、前もって
「これは、だれのでしょう」
と尋ねてくれるようになった。ついこの間も、そういうことがあった。その時さし出されたシャツは、明らかに見覚えがあった。お気に入りのシャツだったが、何回か洗濯をする内に、縮んで丈が短くなってしまっていた。息子が着るなら譲っても良いと思った。そこで夫人は、試みにそれを息子のタンスの中に入れておいた。気に入らなければ、またタンスの外に出されることになるだろう。

リズミカルな足音をたてて、息子が二階から下りてきた。居間に入ってきた息子が身につけていたシャツは、私には丈が短くなってしまった例のシャツだった。驚くことに、息子の身の丈にはピッタリと合っていて、短いということは全くなかったのだ。私には少し長すぎた袖丈も、ちょうど良い長さだった。

私には短くなった丈が、息子にはちょうど良い長さだった。私と彼とは、背丈はそれほど違わないのだから、このことは胴の長さが違うことを示していることになる。私の方が、明らかに胴長短足ということなのだ。

私は同世代の人より背が高く、当然足も長いものだと思っていたのだが、体形の面では、伝統的な旧日本人の体形なのだった。ところが、息子はそういう日本人の体形面の特徴を親から受け継いでいないのだ。どうやら体形的特徴というものは、遺伝子に組み込まれ、親から子へと伝わっていくものではないのかもしれない。身の丈にピッタリと合ったシャツを着ている息子を見ていると、人種までが違うように思えてくるのだった。
posted by 里実福太朗 at 23:19| 里ふくろうの日乗

2009年01月09日

孤高の花

このところずっと晴れの日が続いていた。そのため空気はカラカラとなり、火事が多発していたが、今日久しぶりで雨が降った。所によって雪になったところもあったようだが、ここ佐倉では雪は降らなかった。

雪にはならなかったが、冷たい雨の降る寒い一日だった。孫たちが見つけ夫人がブログに書いたバラの花はどうなったのだろうかと思い、小雨が降り続く庭に下りて確かめてみたところ、しおれることも枯れることもなく、冬枯れの庭で一輪だけ咲き続けていた。

冷たい雨を全身で受け止めて、枯れるどころか、かえっていよいよ生気を放つバラの花の姿は、何年か前であれば、「凜」という言葉で形容するのがふさわしいのかもしれない。しかし今では、この言葉は使われすぎて手あかがついてしまった。そういう言葉を使うのは、かえってその姿をおとしめることにつながってしまいそうなので、使うことは控えることにする。

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posted by 里実福太朗 at 23:38| 里ふくろうの日乗

2009年01月07日

湯たんぽをチンする

松の内も今日で終わりとなる。本来は小正月の15日までを松の内と呼ぶそうだが、今の時代、そんなに長く正月気分にひたってはいられない。子どもたちも明日から新しい学期が始まる。

今日から再び、夕食後食休みをしてから、お風呂に入ることにした。勤めていた時から、長らくこの生活スタイルだったのだが、この時間に入ると、寝る頃になると体が冷え切ってしまって、床に入ってから寝付きが悪くなることが多くなった。そこで何十年ぶりかで、湯たんぽを買い求め何回か使ったのだった。

湯たんぽといっても昔風の金属製のものではない。近頃は電子レンジでチンすれば、7〜8時間は暖かさが続く製品があるのだ。なんでも新しいものにはすぐ惹きつけられてしまう人間が、試してみないなどということはありえない。近所のスーパーでさっそく買い求めた。

袋の中にゼリー状のものが入っていて、その袋ごと電子レンジの中に入れればよいのだ。スイッチを押せば数分で、湯たんぽができあがる。もちろん繰り返し使える。そして暖かさも一晩中持続する。

ただ、冷え切った足は、これを使ってもなかなか温かみを帯びてこなかった。そこで、お風呂を寝る直前に入ることに変更してみた。体がぽかぽかしている状態で床に入るのだから、実に具合が良い。冷たい足とは、おさらばできたのだった。しかしその一方で、新たな問題が生じた。

勤めている時は、帰りの電車で過ごす時間が、仕事モードから休息モードへと気持ちを切り替える時間としてうまく働いていた。そして湯船に浸かることで、就寝するまでの時間にもう一踏ん張りしようという意欲が湧いてきたのだった。ところが入浴による気分一新効果も得られなくなるのでは、もう一踏ん張りしようという気持ちも萎えてしまう。

さてこの問題をどのように解決したらよいのだろうか、それを今日一日かけて考えた。そして結局もとに戻して、夕食後、食休みした後でお風呂に入るスタイルにしたのだった。そして寝る前に、足だけを風呂の残り湯につけて、さらに湯たんぽも利用することにした。今夜からそのようにするのだから、その効果がどれほどのものかはまだ分からない。
posted by 里実福太朗 at 23:03| 里ふくろうの日乗

2009年01月05日

京華スクエアのの二宮金治郎像

昨年末に企業から「派遣切り」の憂き目に遭い、職と住居を失った人たちを受け入れた「年越し派遣村」が閉村することになった。日比谷公園と厚生労働省の講堂で、年末から正月を過ごした約500人の人たちは、今後は4箇所の都の施設へ移動するそうだ。

その4箇所の施設の一つとして、京華スクエアが利用されるそうだ。約1年間、パソコン講習会に参加するために、ほぼ一ヶ月に1度の割で通った場所だ。地下鉄「宝町駅」から歩いて10分ほどの所にある。

京華スクエアは、もともとは中央区の小学校だったものを再利用した施設だ。その小学校は、住民の数が減少し、子どもたちも減ったことで廃校となった。その跡を改修して中央区の施設としたのだ。講義室として利用されていたのは、かつて小学生たちが机を並べていた教室だった。机は二人用の長いものとなり、黒板のかわりにホワイトボードが設置されていた。パソコン室が併設され、そこでパソコンの実習が行われた。

報道によれば、京華スクエアの収容数は80人ということだ。講義室として使っていた教室を、宿泊施設として利用するのだろうか。企業の無慈悲な仕打ちにあった人たちにとっては、暖房施設のある場所で過ごせることが、いっときの救いにはなるだろう。

京華スクエアには、建物に囲まれて狭いグランドがあった。たぶん小学校時代の校庭を、ままの形で利用したものだろう。
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その校庭の片隅に、これも小学校時代の遺物なのだろう、二宮金治郎の像が残っていた。例の荷を背負いながら書を読んでいる像だ。
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かつては修身の象徴として利用されたこともあったが、現在は設置していない小学校も多いようだ。

もともと二宮尊徳は、報徳思想を唱え、経済と道徳との融和を説いた人物だった。現代のような時代には、子どもたちの修身のためということではなく、二宮尊徳が訴えたことに耳を傾けてみるのも良いのかもしれない。

京華スクエアに身を寄せるた人たちの中には、この二宮金治郎像を見る人もいるかもしれない。ここが踏ん張り時だという気持ちを、多少でも後押しすることになればよいのだが。
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年01月04日

かたづけ虫

昼下がりのこと、二階の日当たりの良い部屋で日向ぼっこをしていたら、「かたづけ虫」が目を覚ました。この「かたづけ虫」というヤツは、ふだんは惰眠をむさぼっているくせに、いったん前ぶれもなく突然目を覚ますと、手が付けられないほどの勢いで、疲れという言葉を忘れて動き回るから始末が悪い。

「かたづけ虫」を体内に飼っているご主人様にとっては、突然のことのように思われても、虫の方には目を覚ますそれなりの理由があるようだ。今日の場合はこういうことだった。ご主人様はウトウトと夢うつつの境をさまよいながら、その部屋に置いてある洋服ダンスの中を思い浮かべていた。

(勤めをやめたのだから、もう仕事着のジャケットは必要ないだろうな。現に、近頃はまったくジャケットを着る機会がない。それなのに、タンスの中には勤めていた時と同じように、まだギッシリとすき間なく役立たずがぶら下がっている。完全退職してから今年の3月で、丸一年経つというのに、今だに仕事着が洋服ダンスの中のほとんどの空間を独り占めしているという状態は、過去を引きずっているようで甚だよろしくない。そろそろ要不要を見極めてかたづけた方がいいかもしれない。しかし、やっぱり億劫だな。今は、このまま心地よい午睡のひとときを続けていることにしよう。)

ご主人様が心の中で発した「かたづけ」という言葉に敏感に反応したのが、「かたづけ虫」だった。一言で十分だった。ご主人様は、「かたづけ」という言葉が禁句であることをすっかり忘れていたのだった。

この言葉を耳にした「かたづけ虫」は、ご主人様の気持ちなどはお構いなしに、すぐさま目を覚まして活動を始めたのだった。「かたづけ虫」に突き動かされたご主人様は、やおら起き上がり、洋服ダンスの扉を開けた。

それからは「かたづけ虫」の言いなりだった。脇目もふらず、一着づつ取り出して身につけてみて、窮屈なものは除き、まだ着られそうなものはタンスに戻した。それを休むことなく繰り返した。なにしろタンスにいっぱいなのだから、その繰り返しだけでも莫大なエネルギーを消費する。ところが、「かたづけ虫」の言いなりで動いていると、まったく疲れというものに縁がないというのも妙なものだ。ただし、「かたづけ虫」がいなくなった後は、急激に疲れが襲ってくるのが困りものなのである。

さて、「かたづけ虫」がいなくなった後は、さきほどの勢いはどこへやら、フラフラになりながら、着られなくなっていて、取り除いておいたジャケットの数をかぞえてみたら、たった3着だった。3着分減っただけでは、洋服ダンスの中は相変わらず満員状態なのだった。

「かたづけ虫」は計画性がなく思いつきでご主人様を振り回すから、どうにも困りものの虫なのである。虫下しでも飲んで、退治するより仕方がない。
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2009年01月03日

賀状の必要枚数予想は難しい

年賀状の必要枚数を予想するのは難しい。今年は減るだろうと予想して、職を離れる前の半分ぐらいの枚数を購入したのだが、足りなくなってしまった。

年賀状の配達の人は一日から働いているが、郵便局の窓口は、正月三が日は開いているはずはないだろうと思っていた。そこで昨日コンビニをいくつか回ってみた。ところがどこも絵入りの賀状はあっても、インクジェット用の無地のものは売り切れとなっていた。

少し離れたスーパに、金券ショップが入っていることを思い出し、そこに行ってみることにした。年末の報道によれば、賀状がまとまった枚数で金券ショップに持ち込まれ、それが少し安く売られているらしいのだ。どういう人が持ち込むのかはっきりしないらしい。真偽のほどは分からないが、ノルマを課せられたその方面の関係者が、売りさばくことができないで、仕方なく損を覚悟で持ち込むという話もあるようだ。自転車を飛ばして、そのスーパーに駆けつけたが、普通ハガキしか販売していなかった。

ネットで調べてみると、正月三が日でも営業していることが分かった。ただし、地域によって違いがあり、東京あたりだと一日から営業している局もあるが、佐倉では二日からだった。また、本局だけの営業で、取扱時間は12時半までとなっていた。

売り切れになっていることは考えられないが、念のため出かける前に、電話で確かめてみた。ハガキの表のデザインによっては売り切れになっているものもあるが、インクジェット用のものはあるということだった。また、今日の営業時間は3時までということも分かった。ネット上の情報だけに頼るのではなく、いろいろな手段を用いて、できるだけ正確な情報にたどり着けるようにすることが肝要だということを改めて思った。

ということで、わざわざ佐倉の本局まで出向いて、賀状を購入したのだった。販売窓口には、少しばかりの行列までできていた。駐車場には、ひっきりなしに自家用車が出入りしていた。
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2009年01月01日

元日

新春にふさわしく、穏やかに晴れた冬の一日だった。年賀状は例年お昼近くに届くのに、今年は朝早く届いたそうだ(夫人からの伝聞情報)。勤めていた時に縁のあった人で、まだ勤めている人からの賀状も何通かあったが、やはり数は少なくなった。その人たちとのやりとりも、いづれ途絶えることになってしまうのだろう。

学生時代、クラブで一緒だった人たちとの賀状のやりとりは今だに続いている。ただ、賀状のやりとりだけで、卒業以来ほとんど集まることはなかった。皆退職の時期を迎えて、時間だけは有り余るほどあるのだろうから、そのうち声を掛け合って旧交を温めてみるのもいいかもしれない。

午後は例年通り、わざわざ佐倉くんだりまでやってきてくれた姉と連れだって、鷲神社に初詣に行った。日がだいぶ西に傾いた時刻だったが、例年になく参拝客が多かった。地元の人と新住民が半々という感じだった。

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