2009年04月30日

新しく咲いた花

新しい花が咲いた。写真で分かる通り、花の姿はニオイイリスによく似ている。上弁三枚は空に伸び、下弁3枚は下に垂れ下がっている。葉の形も似通っている。しかし花の色が鮮やかすぎる。ニオイイリスが白一色であるのに対して、下弁が濃い紫色・上弁が薄紫なのだ。

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ニオイイリスとジャーマンアイリスとの違いが、いま一つ分からないので調べてみたところ、以下のような違いがあるようだ。

ニオイイリスは、シロバナイリス(白花イリス)とも呼ばれ、花が白い。
ジャーマンアイリスは、さまざまな色のものがあり、「虹の花」とも呼ばれる。

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ニオイイリスの花期は4月、ジャーマンアイリスは5・6月ということだから、ニオイイリスの方が早く咲き始める。

ジャーマンアリスは、ひげアイリス・ベアデッドアイリスとも呼ばれる。これは下弁の付け根のところにあるヒゲ状のものが、あごひげに似ているところから、そう呼ばれるようになったという。ニオイイリスにもこれがあるが、ジャーマンアイリスの方がヒゲが長く毛虫のようにも見える。

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以上のような違いを付き合わせて確認してみたところ、新しく咲いた花はどうやらジャーマンアイリスと考えた方がよさそうだ。
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2009年04月28日

バス路線「橋63」

アッと気づいた時は、すでに最終日になっていた。「江戸の伊勢型紙美術館」の招待券の有効期限は、4月28日までだった。急なことで夫人の都合はつかず、私一人で出かけることになった。

「江戸の伊勢型紙美術館」は、伊勢型紙を展示している世界唯一の美術館である。型紙とは、柿渋加工の和紙に彫刻された着物の文様を染める際に使用する原版で、その産地に由来し「伊勢型紙」と呼ばれる。伊勢型紙美術館は、江戸時代から大正期にかけての5000点にのぼる型紙を保存し、その中から季節・企画展ごとに200点を選び常時公開している。

美術館のある「紀尾井アートギャラリー」に行くには、やはり地下鉄を利用するのが一番分かりやすく便利だとおもわれているのだろうか、ウェブに載っていた案内図には、地下鉄の最寄り駅しか載っていなかった。近頃はバスを利用することにしているので、近くにバス路線が通っていないかと調べてみると、それがあったのだ。さらに最寄りのバス停を調べると、地下鉄の最寄り駅よりずっと近い場所にあった。
http://www.kioi.jp/

その都バスの路線は、新橋発の小滝橋車庫行き「橋63」である。乗り場はA番、銀座口から出るとすぐ目の前にある。1時間に2・3本しか運行されていないので、都バスのウェブサイトで確認しておいた方が良い。ただ、私のように確かめもせずブラッと出かけて待つハメになった場合は、バス停がすぐ目の前に見える場所にドトールがあるので、コーヒーでも飲みながらノンビリと待つのも良い。私もそのようにした。

バス路線「橋63」は、日本の政治の中心地を通って走る。停留所をあげてみればそのことがすぐ分かる。
 新橋駅前
 →内幸町
 →経済産業省前
 →霞ヶ関
 →国会議事堂前
 →永田町

国会議事堂周辺は、そこかしこに機動隊員の姿が見えた。以前スカイバスに乗ってこの周辺を回ったことがあるが、あの時はこれほど機動隊員の姿が目につくことはなかったように思う。今、国会が会期中のためなのだろうか。なんとなく近寄りがたさを感じて、それが民意を十分には反映していない現在の政治状況を示しているようにも思われてくる。

永田町の次の停留所「平河町二丁目」が、紀尾井アートギャラリーへの最寄り駅となる。そこからは歩いて5分とかからない。ファミリーマートのすぐ先の角を左に曲がり、「コの字」型の路地の奥まったところにある。

右手奥のエレベーターに乗り2Fに
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2009年04月27日

春行かんとす

近頃花について書いたり、花の写真を載せたりしているので、花に詳しいという印象を与えているかもしれない。が、本当のところは、夫人に花の名前を訊かれ、いつもとんでもない名前を答えてあきれられるほど、花に関しては知識を持ち合わせていない。誤解を招かないうちに、花オンチであることを宣言しておくことにする。

Uさんからいただいたアイリスが、ダッチアイリスであることが分かった。といっても調べて分かったのではなく、贈り主のUさんがメールで夫人に教えてくれたそうだ。もともとアイリスは、地中海沿岸地方が原産地らしく、それがドイツで品種改良されればジャーマンアイリスとなり、オランダであればダッチアイリスということになる。

それにしてもダッチアイリスとジャーマンアイリスとの花の姿・葉の形は大きく違う。さらにダッチアイリスは、「球根アイリス」の代表と呼ばれる通り、地中に球根を作る植物である。それに対してジャーマンアイリスは、竹と同じように地下茎の一種である根茎を地中に延ばす。

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庭のダッチアイリスの花は、大分くたびれてきたが、まだ花としての姿はとどめている。その南側では、オオムラサキがあざやかな花を開いた。また今年はミカンの木に、小さなかわいらしい蕾がたくさんついた。一昨年は実がつき、十数個のミカンを収穫したが、昨年は一つもならなかった。蕾のつきかたからすると、今年はかなり期待できそうだ。

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さらに紫色のニオイイリス(?)の蕾がかなり大きくなっているので、近日中に白い花にかわって、庭に彩りを添えてくれることになるだろう。多分ニオイイリスだとは思うのだが、白のニオイイリスが咲いたのが15日のこと、それから遅れること約2週間、色の違いによって開花時期にこれほどの違いが生じるのだろうかという疑問は残る。

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今年もイチハツの咲く季節が終わった。正岡子規が、
 いちはつの花咲きいでて
  我目には今年ばかりの春行かんとす
と詠んだように、イチハツの花の季節が過ぎれば、春は終わりを告げ、卯の花の咲く季節へと移っていく。この時期は、このようにさまざまな花が咲きそして散り、あわただしく自然の表情が移り変わっていく。子規は、次の年にイチハツの花を見ることはできなかったが、私たちはこれからの一年を健やかに過ごせることを願い、来年またイチハツの花を見ることにしよう。
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2009年04月25日

雨の土曜日

昨日の天気予報通り、朝から雨が降っていた。これでもう、土曜日限定ではあるが、最強晴れ男と吹聴することはできなくなってしまった。実はそうならないようにと、昨夜は、雨雲が関東地方を避けて通ってくれるよう天に向かって念力を加えたのだが、力及ばなかった。

ただ天気予報では、夜に入り雨風が強まり大荒れの天気になるということだった。ところが実際にはそんな天気にはならず、榊原記念病院からの帰り道は、交通機関が乱れることもなく、いつも通りに家路をたどることができた。ということは、私の念力が嵐の力を弱めたということになるのだ。そう考えれば、雨に降られて落胆することなどないのだ。

病院から帰るコースは、今まではバスで飛田給に出ていたのだが、今日は多磨駅経由で帰るコースにしてみた。どうせ新宿で中央線快速に乗り換えるのなら、武蔵境から乗った方が新宿の雑踏に身を置くこともなくなると思ったからだった。

榊原記念病院
 ↓(バス)
多磨駅
 ↓(西武多摩川線)
武蔵境駅
 ↓(JR中央線快速)
神田駅
 ↓(JR山手線/京浜東北線)
上野駅

「西武多摩川線」は、私が吉祥寺に住んでいた頃は、「是政線」と呼んでいたと記憶していた。いつから呼び方が変わったのだろうと疑問に思い、家に帰り調べてみたところ、「是政線」はいわゆる俗称で、終点の駅名からそう呼ばれていたそうだ。以前から「西武多摩川線」が正式名称だったようだ。しかし、西武多摩川線ではどうもしっくりこない。やはり「是政線」の方が分かりやすく、また地名とも結びつき歴史的な広がりを感じさせる。

武蔵境駅は多磨駅から二駅目、途中に新小金井駅が一駅あるだけである。電車が新小金井駅に着くと、こんなアナウンスがあった。
「下り電車と交換待ち合わせをします」
是政線は、いまだに単線だったのだ。そんなアナウンスを耳にすると、東京近郊だというのに、ローカル線の雰囲気まで漂ってくる。

通勤電車のシートは、乗客をできるだけたくさん積み込むため、短く切ったものを設置することが多い。ところが是政線のシートは、やけに長くて間延びした感じがする。それがまたローカル色を演出してくれる。ただ終点の武蔵境駅は、ローカル色とは無縁のピカピカの駅だった。

是政線 武蔵境駅にて
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2009年04月22日

バスに乗って

今日は25度を超えるよい天気だったが、昨日は雨の一日だった。第1回目のオープンカレッジがあった先週の火曜日も雨だった。榊原記念病院へお見舞いに行く土曜日は、前後の日が雨であっても、あいだの土曜日だけは晴れとなり、機会あるごとにそのことを得意げに吹聴していた。ところが火曜日は雨となる。天気のめぐり合わせが悪いとしか言いようがない。

昨日はオープンカレッジのあるエクステンションセンターまで、上野からバスを利用してみた。もちろん地下鉄を利用することもできる。その場合の料金は190円、所要時間は約30分である。都バスは均一料金で200円、都バス利用の方が安くつくと思っていたが、地下鉄の方がわずかだが安いのは意外だった。

料金が大差ないのなら、あとは所要時間が問題となる。地下鉄の場合は、乗り換えがあり遠回りの路線となるので、所要時間は微妙な差になるだろうと予想したが、その通りの結果となった。バスは途中渋滞もなく快調に走ったが、停留所が多く、利用者も案外多く、結局25分ほど掛かった。

料金・所要時間の両面で差がないのなら、どちらの交通機関を選んでも違いはないということになるが、地上を走るバスに乗って、外の景色を眺めながらの道中の方が退屈することはない。

バスの停留所に、「伝通院前」がある。伝通院といえば、夏目漱石の「心」に登場する。その「心」の下巻で、「私(先生)」が伝通院を通り、家さがしをしたことが描かれている。その後「私」は友人の「K」をその家に招き入れ一緒に住むことにするが、それが悲劇を招くことになってしまう。

『…ある日私はまあ宅(うち)だけでも探してみようかというそぞろ心(ごころ)から、散歩がてらに本郷台(ほんごうだい)を西へ下りて小石川(こいしかわ)の坂を真直(まっすぐ)に伝通院(でんずういん)の方へ上がりました。電車の通路になってから、あそこいらの様子がまるで違ってしまいましたが、その頃(ころ)は左手が砲兵工廠(ほうへいこうしょう)の土塀(どべい)で、右は原とも丘ともつかない空地(くうち)に草が一面に生えていたものです。私はその草の中に立って、何心(なにごころ)なく向うの崖(がけ)を眺(なが)めました。今でも悪い景色ではありませんが、その頃はまたずっとあの西側の趣(おもむき)が違っていました。見渡す限り緑が一面に深く茂っているだけでも、神経が休まります。…』
(「こころ」下、第十段)

『私は食後Kを散歩に連れ出しました。二人は伝通院(でんずういん)の裏手から植物園の通りをぐるりと廻(まわ)ってまた富坂(とみざか)の下へ出ました。散歩としては短い方ではありませんでしたが、その間(あいだ)に話した事は極(きわ)めて少なかったのです。性質からいうと、Kは私よりも無口な男でした。私も多弁な方ではなかったのです。しかし私は歩きながら、できるだけ話を彼に仕掛(しか)けてみました。私の問題はおもに二人の下宿している家族についてでした。私は奥さんやお嬢さんを彼がどう見ているか知りたかったのです。』
(「こころ」下、第二十七段)

また、永井荷風は伝通院の近くで生まれ育った。後年その思い出を、随筆「伝通院」に書いている。彼はその中で、『巴里にノオトル・ダアムがある。浅草に観音堂がある。』とし、小石川ではそれらと同等な存在として、伝通院をあげている。

『…私の幼い時の幸福なる記憶もこの伝通院の古刹を中心として、常にその周囲を離れぬのである。…』
(「伝通院」明治43年7月)

印刷博物館には、バス停「東五軒町」が近い。以前訪ねた時には、バスを利用するという知恵がなかったので、飯田橋からかなり歩いた。なんて不便なところにあるんだろうと憤りを感じたものだった。しかし上野からバスを利用すれば、10分少々で行けるところにあったのだ。バスの窓から街を眺めていると、いろいろな発見がある。
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2009年04月20日

いちはつの花

昨日城址公園で思いがけない出会いがあったUさんから連絡があり、庭のいちはつがもう咲いているということで、切り花として届けてくれるということだった。去年小石川植物園にイチハツの花を見に行ったのが4月30日のことだから、今年は10日も早く咲いたことになる。

いちはつは10時頃に届けられ、さっそく夫人が花瓶に生け仏壇に飾った。母親は亡くなるまで庭に咲くニオイイリスをいちはつと勘違いしていたが、これでようやく本物のいちはつと対面できた。

ニオイイリスをいちはつと勘違いしていても、見る人がそれをいちはつだと信じているなら、その花はその人にとっていちはつになるのだから、勘違いしていたことはたいした問題ではない。理屈をこねればそういうことだが、できれば世間でいちはつとされている花を、本物のいちはつとして受け入れておいた方が良いといえば良い。そういう意味で、いちはつの花がこの家にもたらされたことはありがたいことなのである。

仏壇に飾られたいちはつの花は、周囲を深みのある濃い紫色で静かに包み込んだ。自然の中で、日の光を浴びて咲いている時よりも、室内の薄い光の中で咲いている方が、花の色も葉の色も深みを増し、気品が漂ってくる。野に咲く花は、野にあって眺める方をよしとすることにも一理あるが、室内に飾った方がよりいっそう花の魅力が際立つこともある。

「いづずれがアヤメ・カキツバタ」という言葉もある通り、アヤメ科の植物の見分け方はなかなか難しい。去年も見分け方を調べたのだが、一年経ってすっかり忘れてしまった。もう一度調べ直してみたのだが、調べれば調べるほど頭がこんがらかってきて、よく分からなくなってしまう。

それらの違いの詳細は専門家の方にお任せすることにして、いちはつ・ニオイイリス・アイリスの三種類の花がそろったので、その三種類について、花と葉の写真を載せておくことにする。

Uさんからいただいた「いちはつ」
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小石川植物園の「いちはつ」
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ニオイイリス
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アイリス
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なお、昨日のブログでジャーマンアイリスとして載せた写真は、アイリスの写真だった。ジャーマンアイリスについては、去年小石川植物園で撮った写真をあらためて載せておくことにする。

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2009年04月19日

絶滅危惧種?

桜の季節が終わり、新緑の季節が到来した。庭では色とりどりの花が開き、大げさではなく百花繚乱の体を成している。ニオイイリスに加えて、ジャーマンアイリスも咲いた。さらにイチハツが続けば申し分ないのだが、今までイチハツと思っていた花が、ニオイイリスと分かってしまったことで、それは望むべくもない。

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近頃のデジカメは性能が向上していて、AUTOあるいはプログラムモードの設定しておけば、初心者でもそれなりの写真が撮れてしまう。オープンカレッジの自己紹介の時、去年受講して今年再度挑戦した人が、こんなことを言った。

「写真講座を受講していた時は、マニュアルで撮影していたのですが、終わったとたん、またAUTOに戻ってしまいました」

それもむべなるかな、なのである。AUTOでも満足すべき写真が撮れるのだから、わざわざ面倒な設定にして、苦労して撮ることはないのである。とは思うものの、いつまでもAUTOに頼っていては、高価なデジカメが宝の持ち腐れとなってしまう恐れがある。

そう思ってせっかく写真講座に通い始めたことでもあるし、庭に下りて花を撮る練習をしてみることにした。最初はプログラムモードで、そのあとは露出優先モードで、絞りの値をいろいろ変えて試し撮りをしてみた。

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午後は、イチハツを探しに佐倉の城址公園に行ってみた。時期がまだ少し早くて、咲いている姿を探し出すことはできないかもしれないが、葉の形でイチハツであると判断できるかもしれない。そう思って出かけたのだが、結局探し当てることはできなかった。ただ、収穫はあった。

園内に、○○造園と刺繍された作業着を着たおじさんがいたので、
「イチハツは、園内のどこかにありますか」
と尋ねたところ、しばらく考えて、
「くらしの植物苑に行ってみましたか」
と教えてくれた。ただ、そこにイチハツがあるかどうかは分からないということだった。

「くらしの植物苑」は、歴史民俗博物館から歩いて10分ほどのところにある。入苑料100円で見学できる。受付で、イチハツのことを訊いてみると、
「イチハツはないですねー」
ということだった。そして、
「イチハツは、ちかごろ見なくなりましたね−、なつかしい感じがしますね」
と言うではないか。なにしろあの子規庵にもイチハツはないのだから、その花を見られるところは、極端に減ってきているのかもしれない。

苑外に出たところに駐車場がある。そこにネコを発見して、よい被写体に出会ったことを喜び、撮影に没頭しているうちに夫人の姿が忽然と消えてしまった。さて、どこに行ったものやらと、ネコに未練を残しながらも捜がしに行くと、見知らぬ女性と親しげに立ち話をしていた。

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近づいてそれとなく話に耳を傾けると、どうやら知り合いのようだった。庭のジャーマンアイリスを譲ってくれた人らしい。紹介されたついでに、
「イチハツを探し求めて来たんです」
などど余計なことをつい口走ってしまうと、思いがけない言葉が返ってきた。その人に家には昔イチハツがはびこっていて、母親が株を少しだけ残して、すべて抜き取ってしまったというのだ。少なくはなったが、現在でもイチハツはあるということだった。

イチハツは薬草として使われていたこともあり、去年訪ねた小石川植物園では、薬草園の中で咲いていた。「くらしの植物苑」にも薬草を栽培している区域があったので、一通り見て回ったが、イチハツはなかった。薬草としての用途も終わり、観賞用としてはジャーマンアイリスやニオイイリスの方が好まれ、イチハツは見向きもされなくなったのだろう。この分では、そのうち絶滅してしまうことになるのかもしれない。
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2009年04月15日

ニオイイリスが咲いた

オープンカレッジに関することで、書き忘れたことがあった。自己紹介の時に、今年の3月に退職した人からこういう話があった。

はるか昔、大学入試の時、オープンカレッジを運営するこの大学を受験したそうだ。合格発表の掲示板に、受験番号は見つからなかった。以来星霜を重ね、やっと勤めを卒業して自由の身となった。その時、心の奥にしまい込んでいた若い頃の気持ちが蘇ってきた。大分遠回りしたけれども、この講座に参加することで、かつてあこがれたキャンパスに足を踏み入れることができた。そんな話だった。

何か事情があって、浪人することはできなかったのだろうか。誰でも年を重ねていく間に、心残りなことをため込んでいくものだが、彼もその時の悔しさを胸に畳んで、定年まで勤めてきたのだろう。

勤めていた時は自己紹介が必要となることはあまりなかったが、退職後は、かえって自己紹介する機会が増えた。もう自己紹介慣れしてしまった私こと福太烽ヘ、いったいどんなふうに自己紹介したのか、まァ彼のように心に響く話などはできるはずもなく、それはご想像にお任せしたほうがよさそうだ。

庭のニオイイリスが咲いた。去年まで、イチハツだと思っていたあの花だ。まだ4月も半ばになったばかりなのに、少し早すぎるのではないかと思い、去年のブログで確かめたところ、4月23日にイチハツ関連の記事があった。ということは、去年より1週間ほど早く咲いたことになる。本物のイチハツも去年より早く開花するかもしれない。
http://fukulog.sato296.com/article/14350398.html

去年は小石川植物園に行き、イチハツの花を見てきた。その後、佐倉城址公園でも見ることができるという情報を得て探しに行ったのだが、残念ながら見つけることはできなかった。今年は、少し早い時期に探しに行ってみた方がよさそうだ。

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2009年04月14日

オープンカレッジ始まる

久しぶりの雨だった。今日からいよいよオープンカレッジが始まった。6月末まで、全10回の講義が行われる。

この写真講座は募集定員が30名だったが、会場の教室には29名の生徒が集まった。年齢層は、圧倒的にシニア層が多い。ただシニア層といっても、こういう講習会でお決まりの自己紹介で分かったのだが、今年の3月に退職した人から、数年経つ人、十数年経つ人という具合に幅はあった。

一番遠方からの参加者は福島から来た人で、4時間かかったと言っていた。さらにこんな人もいた。
「私は仕事を抜け出して来ました」
それを聞いて、みな唖然とした。講習が終われば、また仕事場に戻るらしい。彼が、スーツにネクタイという出で立ちで、少し浮き上がっている存在だった理由が分かったのだった。

昨年この講座で学んだ人が二人いた。再度挑戦ということだが、意地の悪い見方をすれば、講師の先生の教え方が悪かったことにもなり、先生は、ありがたいやら困るやらで苦笑していた。あるカメラメーカーの講習会に参加したものの、途中で挫折してしまい、こちらに救いを求めてきた人も二人いた。カメラメーカーの講習会は、難しい内容を扱っているのだろうか。

カメラの構え方・支え方、シャッターの切り方等の基礎的な実技の練習もあり、授業時間の90分が短く感じられた。
posted by 里実福太朗 at 23:55| 里ふくろうの日乗

2009年04月13日

成田太鼓祭

昨日は、成田太鼓祭に行った。成田山新勝寺の大本堂前で行われる「千願華太鼓」は、10時から始まる。昨年度は土・日の二日間を通して20万人の人出があったということだから、今年もかなりの混雑が見込まれる。そこで8時ごろに家を出発することにしたが、グズグズしているうちに8時を過ぎてしまった。で、新勝寺に着いた時は、すでに大本堂前の広場は人垣がぐるりと取り囲んでいた。

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「千願華太鼓」は、参加団体のすべてが集結し、紹介されたそれぞれの団体は、挨拶代わりに演奏を短く披露する。そして最後に参加者すべてがそろって太鼓を敲く。なにしろ670人という参加者が一斉に敲くのだから、その音たるやすさまじいものなのである。その大音響は大気を切り裂き、地を伝って観客の体をも震わせた。

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午後は、「ANAみらいステージ」で高校生チームの演奏を聴いた。高校生といえども、決して侮ることはできない。太鼓演奏の専門家からみれば、技術的には劣る面があるのかもしれないが、それを補って余りあるのが若々しい躍動感だった。

相洋高校
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木更津総合高校
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八千代高校鼓組
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posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年04月09日

一年ぶりの御殿山(3)

今週は暖かい日が続いている。東金を訪ねてからすでに一週間がたった。八鶴湖の桜は満開となり、湖畔は華やかな雰囲気に包まれていることだろう。

朝日新聞の朝刊に、『名所のサクラ、3割不良』という記事が載っていた。八鶴湖周辺の桜の生育状態を千葉大などが調査したところ、315本のうち90本の生育状態が悪かったそうだ。生育の遅れという問題は、水はけに問題にがあるらしい。この結果を受けて、東金市は桜のいっそうの管理に取り組むということだ。

先週訪れた時、例年の華やかな雰囲気に少し欠けると感じたのは、まだ満開には到っていなかったのと同時に桜の生育遅れということがあったからかもしれない。

東金での昼食は、例年通り「東京庵」でとった。二人とも「レディースコース」を注文した。「レディースコース」と名付けられているのだから、本来は女性向けのメニューだが、昨年店の人から男でも注文可ということを教えてもらったので、ためらうことなく私も注文したのだ。若い人にはもの足りない量かもしれないが、私ぐらいの年齢の者には腹八分目ぐらいの量でちょうど良い。

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「レディースコース」はコース料理だから、料理が一品づつ運ばれてくる。

〔1番目〕お料理三点盛り合わせ
1.蕎麦豆腐
2.だし巻き卵
3.肉じゃがきんちゃく
…口にする順序は、この番号順が望ましい(店の人の説明)。

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〔2番目〕天ぷら盛り合わせ
エビ・イカ・ウルイ・シシトウ・ナス
…揚げたてを運んできてくれるから、サクサクなのだ。

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〔3番目〕お蕎麦(8種類から選択)
もり(夫人は卵とじ)

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〔4番目〕デザート
アイスクリーム・そば湯よせ
…「そば湯よせ」なるものは、みつをかけていただくが、あんがいサッパリとしていて後口が良い。

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〔5番目〕飲み物
二人ともコーヒー

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2009年04月07日

一年ぶりの御殿山(2)

御殿山神社のあたりで、掃き掃除をしているお年寄りがいた。夫人が声を掛けてお話を伺ったところ、いわゆるシルバーとして市から委託され、週三回ほど御殿山の清掃を行っているということだった。

門の開閉も仕事の一つで、門を開ける時間は、聞いたけれど忘れてしまったが、午後は4時に閉めるそうだ。先ほど山に入った時、門の近くに自転車があり、なんでこんなところに自転車が乗り捨てられているのかと不審に思ったが、たぶんそのお年寄りの自転車なのだろう。

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お年寄りは、さらにこんなことも教えてくれた。歌碑のある場所とは逆の方向に進むと、大東亜戦争の遺跡、蛸壺の石碑があり、さらに進むと休憩所があるそうだ。そこでいわれた通りに歩いて行くと、たしかに蛸壺の碑があり、休憩所があった。木が生い茂っていて視界が遮られていたが、梢のすき間からかすかに見えたのは、たぶん東金高校のグランドなのだろう。

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山を下る前に、御殿山神社にお参りした。小さなかわいらしい祠が、二本の木の間におさまっている。そういえば、「あさまだき」の歌碑も、まっすぐ天に伸びた二本の木の間にはさまれている。

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posted by 里実福太朗 at 23:42| 里ふくろうの日乗

2009年04月06日

一年ぶりの御殿山

東京あたりでは、すでに桜は盛りを迎えたようだが、佐倉地方は今週に盛りを迎えそうだ。先週花見を兼ねて訪れた東金も6分程度の開花で、八鶴湖の周辺が華やかな雰囲気に包まれるのはもう少し先のことになりそうだった。

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昨年もちょうど今頃八鶴湖を訪れた。毎年一度は歌碑の状態を確かめるために、御殿山に登ることにしていたからだ。桜の季節でなくてもいいのだが、やはり花に迎えられた方が気持ちがいい。

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今年は大きな変化があった。御殿山入口にある石造りの門柱を過ぎると、景色は一変していた。右側に列をなす歌碑・句碑に変わりはなかったが、左側、つまり東金高校側が激変していた。御殿山と東金高校との境界を示す樹木がすべて切り倒されていたのだ。

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歌碑へと続く山道の左側は遮るものは何もなく、東金高校の校舎が丸見えとなり、逆に東金高校の建物からは、一列に列なる歌碑・句碑群が一望できるはずだ。なぜ樹木を伐採したのか、その理由は定かではないが、光を遮る木々がなくなったことで山道にも石碑にも十分な光が注ぐようになったことは確かだ。ただ、今までのような山道然とした雰囲気は失われてしまった。どちらの状態を好むかは、人によって分かれるところだろう。

石碑群を通りすぎ坂道にさしかかると、そこからは今まで通りの山道だった。そして行き着いた「あさまだき」の歌碑は、朽ちた孟宗竹が横たわる雑然とした状態の中で、我関せずというふうに変わらない姿をとどめていた。だがそのうちに下の石碑群と同じように、周囲の樹木が伐採されてしまうことになるのだろうか。そうなれば視界が開け、もう少し眺望が良くなるかもしれないとは思うが、それと引き替えに、この碑に刻まれた歌の世界とはかけ離れた雰囲気になってしまうことだろう。

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2009年04月02日

上野の山は満開間近

昨日はエイプリルフールだった。昨日の記事で、佐倉地方で雪が降ったことを伝えたが、それはエイプリルフールだったからで、そういう事実はもちろんなかった。まあ信じた人はいなかったと思うが…

ちょっとした用事があって、午後から秋葉原に出かけ、帰途上野公園にも立ち寄り、花の開花状況、花見客の様子を見てきた。開花状況は、8〜9分咲きというところだろう。週末には満開を迎え、上野の山はたいへんな人出となるにちがいない。

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秋葉原の駅前広場にも、彩りを添える花が咲いていたが、まだ数が少ない。
この広場の向かって左側に、ヨドバシカメラがある。

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沿道には、場所取り用のブルーシートが敷き詰められていた。過去に場所取りをなりわいにする人がいたようで、「場所取りの為の金銭授受禁止」の御ふれ書があった。また「当日以外の場所取り」も禁止されていた。

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posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗

2009年04月01日

雪の一日

今日はキツネに化かされたような不思議な一日だった。

朝は雨が降っていた。これだけなら何の変哲もない雨の一日になるはずだった。ところが次第に雪が混じってきて、昼頃には「雪」もかなり本気になったらしく、激しく降るようになった。庭にも、前の道路にもかなり積もった。とても春の淡雪というような降り方ではなかった。

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夜に入り、今度はカミナリが鳴り出した。春雷にしては、これも時期として少々遅すぎる。昨日で3月は終わり、今日から4月に入ったというのに、お天気の様子がおかしい。やはり異常気象の影響なのだろうか。

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ただ、この異常な天気は今日限りで、明日からは良い天気が戻ってくるらしい。あさっては暖かくなり、今春一番のお花見日和になるそうだ。
posted by 里実福太朗 at 22:45| 里ふくろうの日乗