一昨日の夜、ヨーロッパから帰ってきてから、丸二日経ったのだけれど、頭の中はさまざまなことが渦巻いていて夢の世界にいるようで、なにかをしようという気持ちがなかなか湧いてこない。
それでも、旅行中に撮りためた写真をパソコンに取り込んで、写り具合をざっと確かめてみた。ざっとであっても、約1500枚の写真を見るのにはなかなか時間がかかった。ウェブにアップしようと思い、どんなふうにまとめようかと考えてみたが、なかなか考えがまとまらない。そこで、とりあえず時間を追って「フォト漫遊記」に載せていくことにした。
10月21日に成田を飛び立ってから、28日に成田に戻るまでのフォト旅行記をまとめるのには、かなり時間がかかりそうな予感がする。時々は「フォト漫遊記」の方ものぞいてみていただけるとありがたいと思います。
2009年10月30日
夢はヨーロッパをかけめぐり
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗
2009年10月18日
怪盗かぼちゃマン
怪盗カボチャマンが、「異文化交流の集い」に姿を現すかもしれないというウワサを聞きつけ、さっそく自転車を駆ってコミュニティーセンターに向かった。
会場に一歩足を踏み入れると、そこは異様な雰囲気に包まれていた。三角すいの変な帽子をかぶっているモノ、体全体が真っ白で目だけあるモノ、ネズミの顔をしているのに二本足で立っているモノとかが、ウジャウジャと会場を埋めていた。まさに世界中の化け物たちが集まっているという感じだった。

さて肝心の怪盗カボチャマンはどこだろうと捜してみたところ、いたいた、舞台の中央にデンと構えて、化け物たちを見下ろしていた。

ときどき口を大きく開けて、目を三角にして、化け物たちをしかり飛ばしていた。何かを指示していたのかもしれない。そういう様子から推察するに、怪盗カボチャマンは、世界中の化け物たちの世界で、最高権力者として君臨しているのかもしれない。


しかし、よく観察していると、いつもいつも怖い顔ばかりしているわけではなかった。化け物どもが踊り騒ぐ様子を見て、ときどき大きく高笑いすることもあった。

怪盗カボチャマンは、頃合いを見計らってヤメの合図を出した。するとあれほど我が物顔に暴れ狂っていた化け物たちは、いっせいに動きを止め、歓声が充ちていた会場はシーンとなった。皆がをかたずを呑んで怪盗カボチャマンの次の指示を待っていると、すっくと立ち上がって舞台の上手の方にゆっくりと移り、舞台の袖から半身をのぞかせながらニッコリと笑って消えて行った。その後の怪盗カボチャマンの行方は、ようとして知れない。

次の写真は、消える直前の怪盗カボチャマンを、奇跡的に撮影したものである。
会場に一歩足を踏み入れると、そこは異様な雰囲気に包まれていた。三角すいの変な帽子をかぶっているモノ、体全体が真っ白で目だけあるモノ、ネズミの顔をしているのに二本足で立っているモノとかが、ウジャウジャと会場を埋めていた。まさに世界中の化け物たちが集まっているという感じだった。

さて肝心の怪盗カボチャマンはどこだろうと捜してみたところ、いたいた、舞台の中央にデンと構えて、化け物たちを見下ろしていた。

ときどき口を大きく開けて、目を三角にして、化け物たちをしかり飛ばしていた。何かを指示していたのかもしれない。そういう様子から推察するに、怪盗カボチャマンは、世界中の化け物たちの世界で、最高権力者として君臨しているのかもしれない。


しかし、よく観察していると、いつもいつも怖い顔ばかりしているわけではなかった。化け物どもが踊り騒ぐ様子を見て、ときどき大きく高笑いすることもあった。

怪盗カボチャマンは、頃合いを見計らってヤメの合図を出した。するとあれほど我が物顔に暴れ狂っていた化け物たちは、いっせいに動きを止め、歓声が充ちていた会場はシーンとなった。皆がをかたずを呑んで怪盗カボチャマンの次の指示を待っていると、すっくと立ち上がって舞台の上手の方にゆっくりと移り、舞台の袖から半身をのぞかせながらニッコリと笑って消えて行った。その後の怪盗カボチャマンの行方は、ようとして知れない。

次の写真は、消える直前の怪盗カボチャマンを、奇跡的に撮影したものである。

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2009年10月16日
カボチャランタン作り
いよいよカボチャランタンを作ることになり、夕食後、食休みをしてから居間で制作を開始した。といっても、実際の作業はほとんど夫人が行い、私はときどき手を貸したり、写真を撮ったりしていた。
そのお化けカボチャを先崎の果樹園に見に行ったのは、9月6日のこと、すでに一ヶ月以上も経っている。外側はオレンジ色の光をはなっているが、中はすでに腐敗してしまっているかもしれない。ヒョッとして蛆も湧いているかもしれない。
そんなことを想像すると、ノコギリを持つ手にも力が入らないが、思い切ってカボチャに歯を入れた。ところが切り口がキザギザとなり、きれいに切れ目を入れることができない。そこで夫人が少し大きめのフルーツナイフを使ってみたところ、あまり力を入れているふうではないのに、きれいに切れ目が入っていった。
カボチャの中は腐っていることなどなく、きれいなものだった。そして目・鼻・口を開け、最後に中にローソクを灯し、どんな雰囲気になるか試してみた。その詳細は、たぶん夫人がブログに書くだろうから省略して、撮った写真だけを載せておくことにする。



そのお化けカボチャを先崎の果樹園に見に行ったのは、9月6日のこと、すでに一ヶ月以上も経っている。外側はオレンジ色の光をはなっているが、中はすでに腐敗してしまっているかもしれない。ヒョッとして蛆も湧いているかもしれない。
そんなことを想像すると、ノコギリを持つ手にも力が入らないが、思い切ってカボチャに歯を入れた。ところが切り口がキザギザとなり、きれいに切れ目を入れることができない。そこで夫人が少し大きめのフルーツナイフを使ってみたところ、あまり力を入れているふうではないのに、きれいに切れ目が入っていった。
カボチャの中は腐っていることなどなく、きれいなものだった。そして目・鼻・口を開け、最後に中にローソクを灯し、どんな雰囲気になるか試してみた。その詳細は、たぶん夫人がブログに書くだろうから省略して、撮った写真だけを載せておくことにする。






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2009年10月12日
今頃セミが…
幼い子どもたちを家の中で遊ばせるのは、せいぜい半日が限度だ。午後は、久しぶりで調整池のある公園に連れて行って遊ばせた。チョコチョコと動き回る女の子たちは、格好の被写体になる。
自動車とか電車などは、その動きを予測することができるが、子どもの動きは予測不可能だ。その動きに敏感に反応するには、撮影する側にも俊敏な動作が要求される。近頃は寄る年波で、いささかその面がさび付いてきている感がある。子どもたちを遊ばせながら、身軽に動き回りながらすばやくシャッターをきる練習ができるのだから、これこそ一挙両得というものだ。
少し動き回るとすぐに汗ばんでくるぐらいの好天気だった。この上天気に誘われたのか、調整池の対岸の林からせきの鳴き声が聞こえてきた。ツクツクホウシ、少しおくれてミンミンゼミ。10月も半ば近くになってセミの声が聞こえるなんて、過去にあっただろうか。

調整池の住人のカモは、私たちが到着後しばらくしてから姿を現した。ただ以前は三羽だったのに、顔を見せたのは二羽だけだった。私たちの姿を見つけると、逃げるどころか、ガーガー鳴きながら池のほとりまで近づいて来た。そして何のためらいもなく、陸にも上がってきた。以前に比べてかなり人間に慣れてきていたのは、きっとエサをあげる人が多いからなんだろう。


自動車とか電車などは、その動きを予測することができるが、子どもの動きは予測不可能だ。その動きに敏感に反応するには、撮影する側にも俊敏な動作が要求される。近頃は寄る年波で、いささかその面がさび付いてきている感がある。子どもたちを遊ばせながら、身軽に動き回りながらすばやくシャッターをきる練習ができるのだから、これこそ一挙両得というものだ。
少し動き回るとすぐに汗ばんでくるぐらいの好天気だった。この上天気に誘われたのか、調整池の対岸の林からせきの鳴き声が聞こえてきた。ツクツクホウシ、少しおくれてミンミンゼミ。10月も半ば近くになってセミの声が聞こえるなんて、過去にあっただろうか。

調整池の住人のカモは、私たちが到着後しばらくしてから姿を現した。ただ以前は三羽だったのに、顔を見せたのは二羽だけだった。私たちの姿を見つけると、逃げるどころか、ガーガー鳴きながら池のほとりまで近づいて来た。そして何のためらいもなく、陸にも上がってきた。以前に比べてかなり人間に慣れてきていたのは、きっとエサをあげる人が多いからなんだろう。




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2009年10月11日
ロダンはなぜ?
「アカイヌ山荘便り」に、甲斐犬「ロダン」の記事が載ったのは、9月25日のことだった。それによると、建築中のログハウスの傍らに、小さな石仏が置かれ、花も添えられてあったそうだ。あいにく作業をしている人は誰もいず、ロダンの安否を気に掛けつつ、帰途に着いたということだった。
7月下旬に八ヶ岳南麓のログ建設現場を訪ねた際、短時間ではあったが甲斐犬ロダンと接し、写真を撮らせてもらったことがあった。体は黒光りしていて、とても元気だった。そのロダンが死んでしまうなどということは、とうてい考えられないことではあるけれど、その記事を読んでからというもの気になり、そのログ建設に携わっている「ふらんこにあログ」の校長先生のブログを毎日チェックしていた。
もしロダンが亡くなったのであれば、校長先生のブログにそれに関する記事がきっと載るずだろうと思っていたのだが、その記事が載ることはなく、いつの間にかロダンのことは忘れてしまっていた。
今日のブログに「ログドッグ」という記事が載っていた。ロダンに関することかもしれないと思いさっそくチェックすると、予想通りのこと、そして思いがけないことが書いてあった。ロダンは、やはり死んでしまったということだ。それは約一ヶ月前のことで、お墓をつくり、お葬式もしたらしい。そして昨夜、生後二ヶ月の甲斐犬がやって来た。
先代のロダンの写真は、「里ふくろうコム」の「里ふくろうフォトギャラリー」に二枚載せてある。さらに、何枚かの写真をここに載せ、ロダンを偲ぶことにしよう。




7月下旬に八ヶ岳南麓のログ建設現場を訪ねた際、短時間ではあったが甲斐犬ロダンと接し、写真を撮らせてもらったことがあった。体は黒光りしていて、とても元気だった。そのロダンが死んでしまうなどということは、とうてい考えられないことではあるけれど、その記事を読んでからというもの気になり、そのログ建設に携わっている「ふらんこにあログ」の校長先生のブログを毎日チェックしていた。
もしロダンが亡くなったのであれば、校長先生のブログにそれに関する記事がきっと載るずだろうと思っていたのだが、その記事が載ることはなく、いつの間にかロダンのことは忘れてしまっていた。
今日のブログに「ログドッグ」という記事が載っていた。ロダンに関することかもしれないと思いさっそくチェックすると、予想通りのこと、そして思いがけないことが書いてあった。ロダンは、やはり死んでしまったということだ。それは約一ヶ月前のことで、お墓をつくり、お葬式もしたらしい。そして昨夜、生後二ヶ月の甲斐犬がやって来た。
先代のロダンの写真は、「里ふくろうコム」の「里ふくろうフォトギャラリー」に二枚載せてある。さらに、何枚かの写真をここに載せ、ロダンを偲ぶことにしよう。





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2009年10月08日
メーロー上陸
勢力が最高クラスの台風18号は、昨夜未明に愛知県知多半島付近に上陸したあと、ほぼ一直線に日本列島を切り裂いて進み、午後には福島付近を経由して三陸沖に抜けていった。テレビでは各地で大きな被害が出たことを伝えていたが、わが家では庭の植え込みに多少の被害はあったけれど、さいわい大事にはならなかった。
勤めのある人は、こんな日でも出勤しなければならない。首都圏のJRはほぼ全面ストップ、サラリーマン諸氏は暴風雨と交通機関の運休という二重苦に見舞われ、途方に暮れたことだろう。私も勤めを持っていた時には、同じような悲哀を味わったこともある。駅で足止めをくっている人たちの様子をテレビで見ながら、会社勤めをしていた二十代の頃に戻り、勤務先のあった新橋まで行くためのルートを思案してみた。
地下鉄なら台風の影響を受けることはないだろうと思い、まず自宅から車で地下鉄の駅まで送ってもらい西船橋まで行く。そこから先、東西線は地上に出て高架線を走るので、運転見合わせになっている可能性が高い。そこで総武線に乗り換えるということになるのだが、ニュースによれば運休しているということだ。仕方なく、5分ほど歩いて京成線の西船駅に行くことにする。京成線は奇跡的に動いているのだ。しかし、待てよ、京成線が動いているのなら、最初から京成の最寄り駅に、車で送ってもらえばいいのだった。せっかく考えてみたのだが、つまらないことになってしまった。
JRがほぼ全滅だったのに対して、京成線は台風に強かった。かつては、大雨が降ればとまり、大風が吹けば運転を見合わせ、霧が出れば遅延するという具合で、その足腰の弱さに泣かされてきた。それを思えば隔世の感がする。
息子も今日は用事があったようで、朝のうちに出かけた。いつもは地下鉄を利用しているので、夜、いつもより少し早めに帰ってきた際、東西線の一部区間が運休となったことを持ち出してみたところ、今日は最初から京成を利用したという返事が返ってきた。
勤めのある人は、こんな日でも出勤しなければならない。首都圏のJRはほぼ全面ストップ、サラリーマン諸氏は暴風雨と交通機関の運休という二重苦に見舞われ、途方に暮れたことだろう。私も勤めを持っていた時には、同じような悲哀を味わったこともある。駅で足止めをくっている人たちの様子をテレビで見ながら、会社勤めをしていた二十代の頃に戻り、勤務先のあった新橋まで行くためのルートを思案してみた。
地下鉄なら台風の影響を受けることはないだろうと思い、まず自宅から車で地下鉄の駅まで送ってもらい西船橋まで行く。そこから先、東西線は地上に出て高架線を走るので、運転見合わせになっている可能性が高い。そこで総武線に乗り換えるということになるのだが、ニュースによれば運休しているということだ。仕方なく、5分ほど歩いて京成線の西船駅に行くことにする。京成線は奇跡的に動いているのだ。しかし、待てよ、京成線が動いているのなら、最初から京成の最寄り駅に、車で送ってもらえばいいのだった。せっかく考えてみたのだが、つまらないことになってしまった。
JRがほぼ全滅だったのに対して、京成線は台風に強かった。かつては、大雨が降ればとまり、大風が吹けば運転を見合わせ、霧が出れば遅延するという具合で、その足腰の弱さに泣かされてきた。それを思えば隔世の感がする。
息子も今日は用事があったようで、朝のうちに出かけた。いつもは地下鉄を利用しているので、夜、いつもより少し早めに帰ってきた際、東西線の一部区間が運休となったことを持ち出してみたところ、今日は最初から京成を利用したという返事が返ってきた。
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2009年10月07日
メーローとお化けカボチャ
台風18号が近づいている。千葉県佐倉地方では、静かに暮れておだやかな夜を迎えた。しかし台風は予想通りのコースをたどり、12時に近づく頃には、風雨が少し強くなってきた。関西ではすでに暴風雨域に入っているところもあるそうだ。
台風18号は、「メーロー」と名付けられた。こっちに来るのは「やメーロー」などと冗談を言っている場合ではないが、願わくば進路を東に向けて、上陸せずに太平洋上をそのまま進んで行ってもらいたいものだ。
【23時現在の台風情報】
強さ:非常に強い
位置:潮岬の南南西約110km
緯度:北緯32度40分
経度:東経135度10分
中心気圧:945hPa
最大風速:45m/s
最大瞬間風速:60m/s
方向・速さ:北東に45km/h
この前の日曜日に、予約しておいたお化けカボチャを引き取ってきた。値段は2000円。こぶし大ほどの小さなハロウィン用カボチャでも、そのくらいの値段で売られているそうだから、格安ということのようだ。
居間に運び込んだお化けカボチャは、以前、「フルーツランド出山」の店頭で見た時より、赤みが増しているように感じられた。もうすぐ目をえぐられ、鼻を開けられ、口をくり抜かれる運命にある。そこでその前に、こうごうしく緋色に輝くそのまったき姿を、写真におさめておくことにした。

イスに鎮座ましますお化けカボチャ、
本当はもっと赤いのだけれど、圧縮するとこんな色になってしまう。
台風18号は、「メーロー」と名付けられた。こっちに来るのは「やメーロー」などと冗談を言っている場合ではないが、願わくば進路を東に向けて、上陸せずに太平洋上をそのまま進んで行ってもらいたいものだ。
【23時現在の台風情報】
強さ:非常に強い
位置:潮岬の南南西約110km
緯度:北緯32度40分
経度:東経135度10分
中心気圧:945hPa
最大風速:45m/s
最大瞬間風速:60m/s
方向・速さ:北東に45km/h
この前の日曜日に、予約しておいたお化けカボチャを引き取ってきた。値段は2000円。こぶし大ほどの小さなハロウィン用カボチャでも、そのくらいの値段で売られているそうだから、格安ということのようだ。
居間に運び込んだお化けカボチャは、以前、「フルーツランド出山」の店頭で見た時より、赤みが増しているように感じられた。もうすぐ目をえぐられ、鼻を開けられ、口をくり抜かれる運命にある。そこでその前に、こうごうしく緋色に輝くそのまったき姿を、写真におさめておくことにした。

イスに鎮座ましますお化けカボチャ、
本当はもっと赤いのだけれど、圧縮するとこんな色になってしまう。
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2009年10月03日
月より団子
今日は旧暦でいえば9月15日で、ちょうど秋の真ん中。今夜の月は、仲秋の名月として昔から愛でられてきた。日中は雲が多かったが、夜に入り雲間から月が顔を出してくれた。

仲秋の名月は、満月とは限らないらしい。今年もその例外に当たる年で、満月となるのは明日ということだ。
先日八鶴湖に行った時、湖面に船を浮かべて何やら作業している人たちがいた。何をしているのだろうと疑問を持った夫人が、御殿山に向かう途中、岸近くの湖上で忙しそうに作業している婦人に、声をかけて尋ねてみた。私は少し離れたところから、その様子を見ていた。
仕事の手を休めて説明してくれる婦人の声が、きれぎれに聞こえてくる。それを寄せ集めて話の内容を推測すると、どうやら、生い茂って湖面を埋めている水草を刈り取っているということを、詳しく説明してくれているようだった。さらに近々行われる月見の宴の準備であることも分かってきた。その日は、湖上に船を浮かべ、月見団子が観月の客に振る舞われるらしい。
月見団子という言葉だけが、やけにはっきりと聞こえたのはなぜだろうか。
(月見団子か、いいな)
と思っていると、
「数に限りがあるので、早く来ないとなくなってしまうんですよ」
という声もはっきりと聞こえてきた。今まで話に割って入るのは遠慮していたのだが、ついに我慢できずに口を出した。
「月見の宴って、いつあるんですか」
「そりゃ、あんた、仲秋の名月の日さ」
「今年は10月3日だそうですね」
「あれ? 9月じゃないの?」
「ええ、9月が多いんですけど、今年は10月に入ってからのようですよ」
「あらマア、知らなかったねー。よそから来た人に教えられちゃったわ」
天気が良ければ、月に招かれて、いや、「月より団子」という言葉もあるのだから(?)、団子に招かれてと言った方がいいかもしれないけれど、八鶴湖に行ってみようかと思っていたのだが、今日は天気がおもわしくなく、月見の宴がひらかれるかどうか分からず、取りやめにしたのだった。
今夜の空模様であれば、八鶴湖の月見の宴は、たぶん開かれたのだろう。ベランダから見えた月と同じ月を、八鶴湖に浮かんだ船上から、月見団子を頬ばりながら眺めた人もいたにちがいない。

仲秋の名月は、満月とは限らないらしい。今年もその例外に当たる年で、満月となるのは明日ということだ。
先日八鶴湖に行った時、湖面に船を浮かべて何やら作業している人たちがいた。何をしているのだろうと疑問を持った夫人が、御殿山に向かう途中、岸近くの湖上で忙しそうに作業している婦人に、声をかけて尋ねてみた。私は少し離れたところから、その様子を見ていた。
仕事の手を休めて説明してくれる婦人の声が、きれぎれに聞こえてくる。それを寄せ集めて話の内容を推測すると、どうやら、生い茂って湖面を埋めている水草を刈り取っているということを、詳しく説明してくれているようだった。さらに近々行われる月見の宴の準備であることも分かってきた。その日は、湖上に船を浮かべ、月見団子が観月の客に振る舞われるらしい。
月見団子という言葉だけが、やけにはっきりと聞こえたのはなぜだろうか。
(月見団子か、いいな)
と思っていると、
「数に限りがあるので、早く来ないとなくなってしまうんですよ」
という声もはっきりと聞こえてきた。今まで話に割って入るのは遠慮していたのだが、ついに我慢できずに口を出した。
「月見の宴って、いつあるんですか」
「そりゃ、あんた、仲秋の名月の日さ」
「今年は10月3日だそうですね」
「あれ? 9月じゃないの?」
「ええ、9月が多いんですけど、今年は10月に入ってからのようですよ」
「あらマア、知らなかったねー。よそから来た人に教えられちゃったわ」
天気が良ければ、月に招かれて、いや、「月より団子」という言葉もあるのだから(?)、団子に招かれてと言った方がいいかもしれないけれど、八鶴湖に行ってみようかと思っていたのだが、今日は天気がおもわしくなく、月見の宴がひらかれるかどうか分からず、取りやめにしたのだった。
今夜の空模様であれば、八鶴湖の月見の宴は、たぶん開かれたのだろう。ベランダから見えた月と同じ月を、八鶴湖に浮かんだ船上から、月見団子を頬ばりながら眺めた人もいたにちがいない。

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2009年10月01日
中古スーツケースの査定金額は?
今までに海外旅行をしたことは、一度しかない。家族で行った「フィジーフリー8日間」という旅行だけだ。いよいよ二回目の海外旅行が近づいて来て、旅行用のスーツケースが必要になり、その時に使ったものを押し入れの中から引っ張り出してみて驚いた。かなりの大きさなのだ。記憶の中では、これほど大きくはなかったのだから、押し入れの中で成長したとしか思えない。年老いた今になっては、もう、いくらなんでもこんな大きなものを持っていくわけにはいかない、と途方に暮れたのだった。
先週秋葉原のヨドバシで注文しておいたソフト・スーツケースが、昨日届いた。そのことについて書くと長くなるので、別の機会に譲ることにする。
さて、例のバカでかいスーツケースは、すでに無用の長物となりはてた。押し入れから出され居間に運ばれた物体は、狭い生活空間の多くを専有して、家族の居場所を奪っている。粗大ゴミ同然のものを、もはやこれ以上大きな顔をさせておくわけにはいかない。
近頃はリサイクルの店が増えてきている。ただ、地域に定着するのはなかなか難しいらしく、家の近くの店は撤退してしまった。そこで少し離れているが、まだ営業しているリサイクル店に持っていってみることにした。あのスーツケースをいくらで引き取ってくれるのだろうか。

スーツケースに加えて、小型のトランク、ショルダーバックの合計3点をリサイクル店に持ち込み、査定をお願いした。金額が決まるまでの間、店内に所狭しと並べられている商品の合間をぬっていくと、スーツケースのコーナーがあった。これ幸いとさっそく値札を確かめてみると、比較的状態のいいものは4980円、購入意欲があまりそそられないものは、1000円台だった。
持ち込んだスーツケースは、サムソナイト製だし、フィジーに行った時以外には使ったことはなく、かすり傷が少しついている程度だから、1000円はくだらない金額で引き取ってくれるかもしれないなどと、とらぬ狸の皮算用をしながら査定結果が分かるのを待っていた。
5分ほど待って、査定結果が出た。
1.サムソナイトのスーツケース
2.小型のトランク
3.ショルダーバック
3は150円、2はカギがなかったのでお持ち帰りとなった。1は400円。これだけを売却して、3は150円で手放すのはもったいなく、再び家のバッグ仲間に入ってもらうことにした。たくさんの仲間に囲まれて、さぞうれしく思うことだろう。
ということで今日の収入は、400円。あのスーツケースは、粗大ゴミとして市に処分してもらうには、500円支払わなければならないのだから、それを思えば400円で引き取ってもらえたのはありがたいことなのだった。
先週秋葉原のヨドバシで注文しておいたソフト・スーツケースが、昨日届いた。そのことについて書くと長くなるので、別の機会に譲ることにする。
さて、例のバカでかいスーツケースは、すでに無用の長物となりはてた。押し入れから出され居間に運ばれた物体は、狭い生活空間の多くを専有して、家族の居場所を奪っている。粗大ゴミ同然のものを、もはやこれ以上大きな顔をさせておくわけにはいかない。
近頃はリサイクルの店が増えてきている。ただ、地域に定着するのはなかなか難しいらしく、家の近くの店は撤退してしまった。そこで少し離れているが、まだ営業しているリサイクル店に持っていってみることにした。あのスーツケースをいくらで引き取ってくれるのだろうか。

スーツケースに加えて、小型のトランク、ショルダーバックの合計3点をリサイクル店に持ち込み、査定をお願いした。金額が決まるまでの間、店内に所狭しと並べられている商品の合間をぬっていくと、スーツケースのコーナーがあった。これ幸いとさっそく値札を確かめてみると、比較的状態のいいものは4980円、購入意欲があまりそそられないものは、1000円台だった。
持ち込んだスーツケースは、サムソナイト製だし、フィジーに行った時以外には使ったことはなく、かすり傷が少しついている程度だから、1000円はくだらない金額で引き取ってくれるかもしれないなどと、とらぬ狸の皮算用をしながら査定結果が分かるのを待っていた。
5分ほど待って、査定結果が出た。
1.サムソナイトのスーツケース
2.小型のトランク
3.ショルダーバック
3は150円、2はカギがなかったのでお持ち帰りとなった。1は400円。これだけを売却して、3は150円で手放すのはもったいなく、再び家のバッグ仲間に入ってもらうことにした。たくさんの仲間に囲まれて、さぞうれしく思うことだろう。
ということで今日の収入は、400円。あのスーツケースは、粗大ゴミとして市に処分してもらうには、500円支払わなければならないのだから、それを思えば400円で引き取ってもらえたのはありがたいことなのだった。
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