昨夜から今日の午前中にかけて、台風並みの暴風雨が荒れ狂った。これほどの嵐に見舞われたのは、撮影旅行で三浦半島に出かけた時以来2回目のことだ。交通機関にも大きな影響がでたらしい。
さて、上野公園では外国人観光客の姿もそこかしこに見受けられた。

桜並木の下を進んで行く花見客の大集団に、正面からカメラを向けるのは、どうしてもためらう気持ちが先立ってしまい、なかなか難しいものなのだ。ところが彼らの中には、台の上にのって堂々と高所からレンズを構えたり、三脚を立てて撮影している人もいた。

そこで小生も彼らをまねて撮ってみたのが下の写真。多くの人は花に気をとられて、カメラを意識していない。

家族の記念写真を撮っておきたいと思うのは万国共通、日本語が分からなければ「撮っていただけないでしょうか」と頼むこともできず、自国の言葉が通じそうな人を探して撮影を依頼することになる。

小生もいくつかのグループに撮影を依頼された。カメラを首から吊していると、それも一眼レフだと、いかにも写真を撮るのが上手であるかのように見えるのかもしれない。若い韓国人の男女のグループは、日本語で話しかけてきた。そこで、まずこんなふうに尋ねる。
「ピントはどこに合わせましょうか」
返事はすぐにはかえってこない。
「両方にしましょう、花と人物の」
どこまで理解しているか分からないが、手渡されたカメラを構えれば、彼らはポーズをつくる。
「ワン・ツウ・スリーのスリーでシャッターを押しますよ」
ヨーロッパ旅行でも、ツアー客同士で写真を撮り合うことが良くあった。そして撮影後は、必ずその場で撮った写真を相手に確認してもらうことが、一種の礼儀のようになっていた。それ以来日本でも、撮影を頼まれるとそのようにしていた。彼らにも手振りを交えて意を伝え、確かめてもらったところ、液晶画面をのぞき込んでうなずいた。取り直しになることは、今まで一度もなかった。
その後、母親と娘と思われる二人連れからも撮影を頼まれた。やはり韓国の人で、母親の方は日本語を話せた。同じように撮影後、写り具合を確かめてもらったところ、なんとそのオバさんは、
「もう一枚」
と元気よく言うではないか。そんなふうに言われるのは初めてのことだけれど、まあ仕方がない、もう一枚撮ってあげたのだった。液晶画面で写真を確かめたあと、そのオバさんは思いがけないことを言った。
「お撮りしましょうか」
こんなことを言われるのも初めてのことだったけれど、丁重にお断りした。
「お花を撮っているんですね」
と少し残念そうな口ぶりだった。

日本を訪れた外国人観光客の人数は、日本政府観光局(JNTO)のまとめによると、2008年の集計で約835万人、全世界での順位は28位だったそうだ。1位はフランスで、約7,930万人ということだ。
http://www.jnto.go.jp/jpn/tourism_data/global_tourism_trends.htmlただフランスは、観光客数1位であってもいばることはできない。フランス人たちが外国を訪ねた際、その訪問地の人たちにどう思われているかというと、その評価は最悪なのだ。
「世界最良の観光客」2007-2009年度 国別ランキング
http://omoroid.blog103.fc2.com/blog-entry-379.html2007年
1位……日本
28位…フランス
2008年
1位……日本
29位…フランス
2009年
1位……日本
27位…フランス
posted by 里実福太朗 at 00:00|
里ふくろうの日乗