2010年03月06日

大横川親水公園のカメ

これが下から見た平川橋。

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橋桁と地面との間隔はかなり狭く、大人が通り抜ける際には、かなり腰を低くしないと頭をぶつけてしまう。

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橋の南側は工事中、その先には小さな池があって、そのほとりにはランドセルが一つポツンと置かれていた。ランドセルを放り出して、その主はどこにいってしまったのだろう。

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さて、この親水公園からも東京スカイツリーが見えた。それは、かなり歴史を重ねたと思われる家と、新しいマンションとの間に見えた。
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梅の花越しに見る東京スカイツリーも、なかなかいいものだ。
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写真を撮ることに夢中になっていると、いつの間にか小さな女の子が側に来ていて、こんなことを尋ねるではないか。
「オジさん、何か食べる物、持ってない?」
身なりは普通の女の子という感じで、食べる物にも窮している極貧の家庭の子とは見えない。
「いや、持ってないな」
残念そうな顔で去って行った。引き続き写真を撮っていると、しばらくしてまたその女の子がやってきた。
「オジさん、そのバッグの中、何が入っているの」

たしか吉行淳之介の小説に、「鞄の中身」という作品があった。以前から、なかなかうまいタイトルをつけるものだなと思っていた。大人だって、他人の鞄とかバッグの中に、いったいどんなモノが入っているんだろうと思うことがあるのだから、子どもであればなおさら、そこに興味が向くのかもしれない。
「いいよ、見せてあげるよ。手帳でしょ、これがボールペン、4色だよ。小型のカメラもあるよ」
と、ショルダーバッグの中を見せてあげた。女の子は、興味深そうに覗いていた。
「ほんとに、食べる物、なにも入ってないね」
二の句が継げなかったですな。小生の子どもの頃は、大人の言うことを疑う気持ちなどは、これっぽっちもなかった、と思う。しかし今の世の中、子どもに疑われても仕方がない、そういうご時世かもしれませんね。

食べ物が欲しい理由を尋ねてみると、甲羅に傷を負って元気のない亀に、エサをあげたかったということだった。そんなことを話していると、その亀が泳いで近くに寄ってきた。甲羅には赤いすじが何本かあって、たしかに甲羅が傷ついているようだった。いたずら小僧に石でも投げつけられたのだろうか。

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いつの間にか、子どもの人数が増えていた。
「このカメ、ダイジョウブかな〜」
と言うのは、男の子。たぶんあのランドセルの持ち主なのだろう。
「千年は生きるそうよ」
と別の女の子。大人げなく、つい口をはさんでしまった。
「カメはもっと生きるよ。ツルは千年、カメは万年って言うでしょ」
「わーすごい、1万年も生きるのね」
喜び方が並外れていたので、本当はもっとずっと短いんだよと訂正する機会を失ってしまった。

「あっちのアミのある方に、移してあげようか」
「そうね、保護してあげましょう」
「どうやって持ってくの」
なにやらいろいろ相談していたが、そのうち男の子がカメを持ち上げて池から出してしまった。

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成長してかなり大きくなったカメだった。男の子一人では運んでいくことができず、女の子と力を合わせて平川橋の方へ運んで行った。

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池の周辺でさらに写真を撮ったあと、子どもたちに助けてもらったカメが、傷癒えて長生きすることができれば、「鶴の恩返し」ならぬ「カメの恩返し」で、将来いいことがあるかもしれないな、などと思いつつ、平川橋の下をくぐって北側の方に行ってみた。子どもたちが言っていた「アミのある方」とは、そこのことかもしれなかった。アミで覆われているから、いたずらされる心配はなさそうだ。

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さて、いよいよ本気で業平橋を探さないと日が暮れてしまう。地図によれば、この親水公園の北の端にあるはずだ。

posted by 里実福太朗 at 00:00| フォト漫歩計