あらかじめ家のパソコンで、国会図書館のNDL-OPAC(オンライン目録)を利用して検索したところ、権藤はな子童謡集「雪こんこお馬」は1回の検索ですぐヒットした。前回の失敗もあるので、続いて「所蔵詳細」を見ると、東京本館と国際こども図書館に所蔵されていた。家のパソコンでは、とりあえずここまでの情報が得られた。
さて国会図書館内に出向き、館内に設置されているNDL-OPAC端末で検索すると、その童謡集は「音楽・映像資料室」に開架図書として所蔵されているということが分かった。家のパソコンでは、なぜそこまでの情報が得られないのかと疑問に思いながら、一階にあるその資料室に向かった。
開架式ということではあるが、本棚から探し出す手間を省いて、カウンターの人に尋ねてみた。童謡集はすぐ見つかった。ついでにコピーをする際の手続きについて尋ねると、著作権保護期間が終了しているかどうかを訊かれた。権藤はなよは昭和36年になくなっているから、私の計算によれば、保護期間はあと1年少々残っているはずだ。その旨を言うと、コピーできるのは童謡一作品の半分以内であると言われた。それ以上をコピーするには、保護期間が終了するのを待たなければならず、さらにその際には、終了したことを確認するため、没年が分かるなんらかの資料が必要になるということも告げられた。
著作権との関係で、複写できるのは当該資料の半分をこえない分量であることは知っていた。だから童謡集についても、その一冊の中の半分をこえない部分については複写可能なのだろうと思っていたのだが、そうではなかった。なにか腑に落ちないものが残ったが、童謡はみな10行から20行程度の短いものだから、必要な部分を書き写すことにした。
◆「雪こんこお馬」の書誌情報
権藤はな子童謡集
「雪こんこお馬」
昭和七年八月二十六日印刷納本
昭和七年九月一日発行
定価一円
著者 東京市外武蔵野町吉祥寺
権藤はな子
発行人 宮崎県延岡町
小島政一郎
印刷人 宮崎県延岡町
四倉清
発行所 宮崎県延岡町
凡人會
なお国会図書館の蔵書は、以下の復刻版である。
叢書 日本の童謡 大空社刊
1996年9月28日発行
【内容】
(巻頭)
『雪こんこお馬』へおくる言葉 野口雨情
目次
雪こんこお馬
雨の日
ないしよないしよ
日暮
母さんお里
露草とこほろぎ
濱道
こほろぎとダリヤ
せつせとかせげ
雪の夜
燕
スヰツチヨ
蝙蝠
独樂
螢
お馬
黒い犬
雲雀の子
蟻の行列
願かけた
お山のお山の
静かな晩
すすきの小道
草刈
一軒家の子供
雨の降る日
泣く子
びゆうびゆう北風
お月夜
野遊
落葉かき
向日葵
夕方
商ひ遊び
月見草と向日葵
お地蔵さん
山のお便り
蓑蟲
七夕さん
お月さん
麥の穂波
曇り日
夏の夜
お使ひ
あの子とこの子
日向ぼつこさん
渦巻
お留守居
煙り
風船賣り
末つ子
手鞠
お窻
ひとりぼつち
赤い下駄
學校
風もないのに
晝寝のあと
子供と地蔵さん
追羽根小羽根
螢來い
うささん
大寒小寒
かごめかごめ
うさぎうさぎ
お祭
手鞠唄
梭の音
迷子の狐
(巻末)
後記 小島政一郎
〔筆者注〕
おさめられている童謡は70編です。
「七夕さん」は「たなばたさま」とはまったく違う童謡です。ただ、「さらさら」「きらきら」という擬音語が使われていて、そういう点での共通性は有します。
2010年07月27日
権藤はな子童謡集「雪こんこお馬」
posted by 里実福太朗 at 00:00| 里ふくろうの日乗