2013年08月03日

「まるげ(○げ)」にまつわる不思議な偶然

告別式に参列したあと、アユミギャラリーへと向かった。折しも、企画写真展「蒼」が初日を迎え、故鈴木喜一さんの写真も展示されている。夕刻に予定されているオープニングパーティの時間までにはかなり間があるが、告別式の人波の中に身を置いて高ぶった心を鎮めるには、そのくらいの時間は必要だった。

ギャラリーに一歩足を踏み入れた時、思わず「げ」っと叫びそうになってしまった。居合わせた写真塾のYさんが身につけていたTシャツの背中に、大きく「まるげ」と記されていたからだ。先日訪ねた穴山でも、それと同じように「げ」を丸で囲んだ奇妙なマークに出くわしたことがあったのだ。

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うり二つの「○げ」を目にして、穴山で見たものと何らかの共通点があるかもしれない、と期待を込めてYさんに尋ねてみた。
「そのTシャツは、ひょっとして山梨の穴山のお店で買いました?」
唐突にそんなことを訊かれて、首をかしげているYさんの返事を聞く前に、あまりにも不思議な偶然に気が急いて、穴山で見た「○げ」について話し始めてしまったのだった。

墓参のために山梨に行った際、穴山まで足をのばして権藤はなよの詩碑を訪ねた。甲府と同じく穴山も暑かった。詩碑は全部で九基建立されたそうだが、同行の人の健康状態も気がかりなので、今回は半分程度を見て回ることにした。

「穴山さんぽ道−権藤はなよの世界−詩碑を訪ねて」という小冊子に載っていた地図を詩碑巡りの参考にした。その地図には、権藤(旧姓伊藤)はなよの生家あとも記されていた。同行の姉が、戦時中に穴山に疎開した際、その家にお世話になったということだった。

実は、以前穴山を訪ねた際にも探してみたことはあったが、藁葺き屋根だったその家は見つけ出せなかった。長い時を経て、取り壊されてしまったのかもしれなかった。しかしその地図には、はっきりと「権藤はなよ生家あと」と記されているのだから、何らかの痕跡が残されているのではないだろうか、あるいはすべてが失われてしまったとしても、記念碑のようなものが設けられているかもしれない、と手がかりを求めて穴山の里の曲がりくねった細い道を、NBOXは進んで行ったのだった。

「穴山さんぽ道」という地図はかなり大雑把で、そのせいだとは言いたくはないが、やはり道に迷って水田地帯へと出てしまった。青々と育ったイネを見ながら農道を走り、やっと里への上り口を見つけ急な坂道を上るあたりから、こんな標識が見え始めた。
「○げまで**m」
一体全体どんな意味を持つ標識なのか、ただ丸の中に「げ」があるだけでは皆目見当がつかない。

坂を登り切ったところにも同じような標識が立っていて、距離は短くなっていた。地図上の「権藤はなよ生家あと」が近づくにつれて、「○げ」までの距離数が次第に減ってゆく。そして最後に行き着いたのは、「○げ」用の駐車スペースだった。そこは「cafe ○げ」用として設けられていたのだった。

人騒がせな「○げ」は、どうやらカフェのようだった。それにしても、どうしてこんな人跡まれな山里にカフェなどがあるのだろうか。そんな疑問がわいてきたが、そこから少し歩いてみれば、たしかに古民家を改装したような造りの「○げ」があった。昼時を過ぎて空腹を覚えてきたところで、これ幸いと引き戸を開けようと試みたが鍵が掛かっていた。

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同行の義兄が、その家は屋根の形から想像すれば元は藁葺きだったかもしれない、場所的にも権藤はなよの生家あとの可能性が高いと言う。たしかに屋根の傾斜などを見れば、その説にはかなりの信憑性があると思われた。ただ残念なことに、そのことを示す説明板などは見あたらなかった。

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長々と話してしまったが、要はYさんが着用している「○げ」のTシャツは穴山のカフェ「○げ」と関係があるのではないかということを確かめたかったのだ。しかし、その答えは意外なものだった。
「この『○げ』は、サンダル屋さんですよ」
ネットで調べてみたところ、確かに「○げ」というサンダル屋さんがあった。葉山のビーチサンダル専門店だった。

〔げんべい〕
http://www.genbei.com/index.html

なお穴山の「○げ」は、ネットで調べてみると、隠れ家的カフェレストランとしていくつかの紹介記事が見つかった。それらによると、欧風料理を提供する店のようだった。営業時間は、18時から深夜2時までとなっていた。

〔食べログ〕
http://tabelog.com/yamanashi/A1902/A190202/19000153/

〔山梨珈琲日記〕
http://46324885.at.webry.info/200809/article_4.html

〔楽天ブログ〕
http://plaza.rakuten.co.jp/tokiwin/diary/200901220000/
posted by 里実福太朗 at 23:50| 里ふくろうの日乗