鈴木喜一さんが急逝したのは、7月30日のことだった。早いものでその日からそろそろ1ヶ月ちかくが経とうとしている。その間、喜一さんのブログ「大地の家」を覗いてみることが何回かあった。
もちろんブログが更新されている、などということはあり得ない。書き手が亡くなったあとそのブログはどうなるのだろうか、閉鎖されてしまうのだろうか、あるいはそのままの形で残されているのだろうか、そんなことが気に掛かってのことだった。
喜一さんの手で更新されることがなくなってから何日か経って、そのブログに変化があった。つまり記事が追加されていたのだ。そしてその状態が保たれたまま現在まで続いているのである。追加された記事は、スポンサーサイトの広告のページだった。そこにはこう記されていた。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
〔大地の家〕
http://daichinoie.blog6.fc2.com/
ブログの書き手本人がすでにお亡くなりになっているのだから、無理難題が突きつけられていると言わねばなるまい。ほかの人が書けばその広告を消すことはできるのだが、喜一さんが一人で書き継いできたブログだからそういうわけにはいくまい。だから、ページのトップに広告があるのは目障りだけれど、それは我慢してこのままの状態で残しておくより仕方がないということなのだろう。とりあえずそうしておけば、喜一ワールドにいつでもアクセスすることができるのだ。
この「里ふくろうの日乗」の場合はどうなるのだろうか。月々賃料を払ってサーバースペースを借りているのだから、書き手が亡くなってもトップページに広告記事が掲載されることはないだろう。しかし、銀行口座に預金があるから維持できているわけで、死後時を経て預金が底をついてしまえば、ネット社会の藻くずとなってはかなく消えてしまうのは明らかなことだ。
男性の平均寿命の歳を迎えるまではまだ間があるけれど、そろそろネット社会に見切りをつけて、現実の世界に軸足を移した方が良いのかもしれない。ネットの世界に息苦しさ・重苦しさが漂い始めてきた今が、その時期なのだろう。それはとりもなおさず、ネットというデジタル社会からアナログの世界へと回帰することを意味している。
2013年08月27日
デジタルからアナログへの回帰
posted by 里実福太朗 at 23:50| 里ふくろうの日乗